書き足りなくて三本目のUP。
師走の29日に開催される無声映画鑑賞会の12月度例会として、
澤登翠活弁リサイタルが毎年紀伊國屋ホールにて開催されます。
今年は31回目。鑑賞会は何と737回目の例会という、
伝統と歴史のある公演です。
「水戸黄門 廻国記」1937年 池田富保監督 山本嘉一主演
本来はトーキー作品のサイレント縮刷版で、
助さんに阪東妻三郎。格さんに片岡千恵蔵という豪華キャスト。
「黙示録の四騎士」1921年 レックス・イングラム監督 ルドルフ・ヴァレンチノ主演
共演のアリス・テリーはイングラム監督夫人。
私はこの作品初見だったのですが、
ヴァレンチノの出世作で
タンゴを踊るシーンがめちゃくちゃ官能的・・・という知識と、
この写真↓の印象だけで観たものだから・・・
人妻とヴァレンチノのどっぷり不倫騒動からの戦争シーン突入は、
もう目が白黒!!!笑
ちなみに黙示録の四騎士の原作者はスペインの高名な作家
ヴィンセンテ・ブラスコ・イバニエズ。
澤登師匠の活弁は今でも年に数回拝見拝聴しているけれど、
やっぱりこの活弁リサイタルが最高に素晴らしいのです。
「師匠はこの師走の29日に照準を合わせて一年を過ごしている」
と、ずっと思って来ました。
過言ではないと思うのです。
だから、この活弁リサイタルに来ない方は、
澤登翠の活弁について語る術はないと思っています。
(私は既に一門から出てしまってますが、舞台は拝見拝聴させていただいてます。)
カラード・モノトーンの演奏も同様で、
静々と年々素晴らしさが増して来ていると感じています。
ご本人方に聞くと、
メンバーもバンマス(編曲・指揮・ギター&三味線)の湯浅ジョウイチさん
フルートの鈴木真紀子さん以外はメンバー編成が変わったりするので
「毎回いろいろ大変」とのことですが、
私が最初に聴いた19年前から思うと、
編曲にさほど変化が無いように思える時代劇はそんなに感じないけれど、
邦画現代劇や洋画は編曲や演奏法は俄然進化しているのではないかと!
(なんか偉そう)
この日の黙示録の四騎士前半パートの酒場でのシーン、
特にタンゴパートのかっこよかったこと!!!
今までのカラードのイメージを覆すワイルドな魅力に溢れていました。
かつてはカラード・モノトーンの名前のごとく
活動弁士の語りを引き立てる存在としての奏法という楽団の宿命!?
を背負う影の存在イメージも強かったのですが、
年々澤登師匠との語りの駆け引きが対等となり、
かと言って弁士の前に出るような無粋なことはなく、
あくまで引き立て役に徹するという
高難度の演奏が出来る素晴らしさは、
私なんぞが語るのもおこがましい限りです。
今回初めて紀伊國屋ホール最前列の
カラードかぶりつき席で拝聴して、
この距離でありながら弁士の語りを全く潰さずに
観客を物語の中へがっつり引き摺り込ませ、
終演後もその余韻で身体中が映画と語りと音楽に包まれたまま、
気がついたら帰宅していた・・・
そんな夢のようなひとときを味わいました
年末という一年を振り返る時期だから殊更ですが、
この場所にいたあの人もこの人も今は鬼籍に名を連ね、
でも今宵はこの場所に戻って来ている。
映画の出演者や関係者の方々
無声映画鑑賞会の会員だった方々
そしてたくさんの演者を見届けてきた
紀伊國屋ホールというこの空間が、
もう既にどんな映画よりもドラマティックで・・・・・
自分の人生も重ね合わせて、
今宵一睡の夢を見させて頂きました。
ありがとうございます。
無声映画鑑賞会の出演者
そしてスタッフの皆様。
ご来場のお客様おひとりおひとりに
感謝の言葉を贈ります。
また来年も、
素晴らしい夢のひとときを
心待ちにしております!
~おまけ~
さてここで、紀伊國屋ホールでの
澤登翠活弁リサイタル関係の日記を振り替えってみましょう🎵
2018年
2017年
2013年
2010年
・・・と、全く大したことは書いておりませんね。
参加していたりお写真は撮っていたのにUPしないで終わってる年も
随分とあったのだなぁ・・・
特に2015年の田坂具隆監督 入江たか子主演 「月よりの使者」は、
娘さんである女優の入江若葉さんが会場にいらしていて、
サプライズ(だと思った)で壇上に上がって頂く際に
急な階段を私が手を取ってエスコートしたという、
個人的に忘れ得ぬ回であったのに!
写真もふんだんに撮った筈なのに!!
ブログを書くはおろか
写真の一枚もUPしていない体たらく・・・
機種変更前のスマホだからもう現存しないかもなぁ~
勿体無い。
お粗末さまでございました!!!