
何せ公演自体を知ったのが、
開演の数時間前。
当日券で滑り込みました。
「メトロポリス」をやるというので、
これは行かないと!と思い立ったのですが、
想像以上に面白い公演を見せて頂きました♪
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彼女が11年前に受けた
「東京キネマ倶楽部」のオーディションを、
私も受けてこの世界に入ったのですが・・・
当時の彼女を知る者としては、
彼女が「メトリポリス」をひとりで活弁するなんて、
俄には信じがたい事でした。
実際その時の新人弁士四人のうち三人は、
リリアン・ギッシュ主演「散りゆく花」という
約一時間の長編悲劇映画で弁士デビュー。
彼女ひとりが日本の短編アニメ「桃太郎」でした。
私たち三人も相当個性が違い、
暫くしてからはそれぞれ違う作品を担当していましたが、
彼女はかなり独自の世界を突っ走ってゆき・・・
一年後にはあの
‘下手(しもて)で大正琴を弾きながら日本のアニメを活弁’
‘上手(かみて)でピアノを弾きながら洋物喜劇を活弁’
・・・というスタイルを確立していました。
その後一緒に澤登一門に入るも、
彼女の事務所の方向性とはいえ一度も一門会への出演はなく、
「メトロポリス」を師匠以下一門全員でリレー活弁するのにも参加せず、
私自身彼女のことを快く思えなくなっていきましたが、
それでも手打ち公演には足をはこびました。
しかし、何だか彼女の向かって行く方向には共鳴出来ずに、
公演も正直私にはさっぱりつまらない舞台だったので、
この数年は見に行くこともありませんでした。
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昨日は何か呼び寄せられるように?
たまたま見た告知で会場に向かっていました。
行くことが出来て
本当に良かった!!
数年経って、
映画に対してのクドいひねりは影を潜め、
全体の台詞を絞ることで、
様々なキャラクターを演じ分ける工夫をしていました。
もともと舞台役者でもあるので、
その良さも出ていました。
何と言ってもステージングが素晴らしい。
客を飽きさせない演目のバランスと、
笑いの中にも決して下品にならない気品がありました。
無声映画や活弁に普段から親しんでいる方々には、
もしかすると邪道に思えるかもしれない
彼女の手法・個性かもしれません。
しかし
もともとは映画興行自体が、
‘お客様が弁士を選んで劇場に足をはこぶ’
ものであったそうです。
昨日劇場に足をはこばれた方々は
皆様楽しそうに鑑賞しておりました。
サイレント映画など見たことも聞いたこともない衆生には、
とっても入っていきやすいひとつの見せ方だと思いました。
彼女の
’本当にやりたい事
本当に表現したい事’
・・・を、垣間見たような気がします。
そして、
私の欲しかった答えも、
その鍵を頂いたように思います。
その扉を開けられるるのは、
自分自身だけ。
肝にしっかと刻みます。
公演は他に
日本の無声映画 片岡千恵蔵主演「国士無双」
バニラちゃん脚本・編集・音楽・イラスト 「活動写真いまむかし」
などなど。
詳しくは彼女のブログを見てあげて下さい♪
VANILA'S DIARY
http://blog.vanillaquest.jp/