さて、ストーリーも出来上がって、あとは書くだけ。でも、その前にきちんと整理しておいた方がいいのが、登場人物の役割分担とその性格を決めることです。

「君との約束」では主だった登場人物は4人。矢島・まひる・由加利・早瀬です。
このそれぞれの登場人物はそれぞれ違った役割分担と、違った性格を持っています。主人公の矢島は、心をすっかり閉ざしてしまった少年として登場しますが、やがてそれは少しづつ変化していき、やがて心を開いてすべての感情を取り戻します。ほとんど感情を持たない状況から、それが開かれていく変化というものを克明に表現する必要があります。

まひるはその感情を取り戻させる役割を担っています。そのためにあれこれと矢島におせっかいをやいて友達になろうとします。明るく快活であると同時に、他人の心を思いやる気持ちが強い女の子という設定です。

由加利、早瀬にはまひるをサポートする役割を与え、場面場面で物語のアクセントをつけるのが主な仕事です。早瀬は何事にもストレートで冷たいイメージがありますが、実は心のうちに熱いものをもちあわせています。由加利は、明るく快活でおしゃべりな軽いイメージもありますが、まひるを失ったショックで心が折れそうになった矢島を一喝してはげます気丈さも持ち合わせています。二人は最初のうちは反発しあっているようにも見えますが、互いに少しづつ惹かれていくという流れも、この物語には必要です。

こんな風に事前に登場人物の役割と性格を整理しておくと、物語の重要なセリフなども割合と簡単に出てくるようになります。「早瀬ならここはこういうだろうな」などと思いながらセリフを考えるといいでしょう。