「なるほど、妙な話ですね。」

居酒屋の個室。上川は優一の意見を聞こうと、食事に誘っていた。

「そうでしょう?前の事件と符合することも多い。なにか関連があるように思えて仕方ないんです。」

上川が酒を優一に注ぎながら言った。

「で、その恵美子さんには会われたんですか?」

「いえ、明日自宅の方に行く予定です。」

「まさか、またついてこいとか言うんじゃないでしょうね?」

優一が釘をさすように言ったが、上川の答えは予想通りだった。

「はい、お願いしたいと思っています。」

「上川さん、私は一般人ですよ。それに、この間のように相手を怒らせる可能性だってある。それでも付いてこいと?」

上川は無言でうなずいた。

「おねがいします。今度の事件はとにかくややこしい。あとからあとから関係者が出てきては、事件との関連がはっきりしない。どこかで糸口がありそうなものなのですが、それが見当たらないんです。」

優一はふっとため息をついた。

「わかりました・・・ご一緒しましょう。でも、私は私のやり方で行きますよ。」

「結構です。」

上川が大きな声で言った。それほど上川は優一のことを信頼しているようだ。

「では、今回の刈谷恵美子に関する資料がほしいのですが。」

その言葉を待っていたように、上川が鞄から資料の入った袋を取り出して、優一に差し出した。

「手回しがいいですね。わかりました。これを明日までに読んでおきます。」

優一は苦笑しながらその資料の束を、袋ごと受け取りながら言った。



~つづく~