不破は打席に入ると、胸の辺りに手を当ててふーっと大きく深呼吸する。ユニホームの内側には、必勝祈願した神社のお守りが縫いこんであった。不破はそのお守りをしっかりとユニホームの上から握り締める。
『かたきはバットで返す!』
不破は改めて自分に気合を入れた。その気合はマウンドを通り越してセカンドベース上にいる堀部にも伝わってきた。
『頼むぜ、不破!』
ともにひとみと田島の加入でレギュラーを失った二人。しかし、思いはレギュラーの誰よりも強かったに違いない。
青島はゆっくりとしたフォームで一球目を投げる。約束どおりのインコース高めのシュートボール。不破は体をよじりながらそれをよける。青島はこれで脅しが効いたと思ったのだろう。口元に笑みが浮かぶ。
青島にしてみれば、ここまでは計算どおりの展開。大石と武藤というキーマンをつぶし、ひとみにも精神的なダメージを与えている。そして延長戦になれば、次は自分からの打順。ひとみがいくら気持ちが強いといっても、打つ気にさえなればスタンドに放り込むこともできる。明日の一面は自分がもらった・・。そう考えていた。
二球目。アウトコースへ152キロのストレート。それを不破はしっかりと見極める。
「ボール!」
どちらにも取れるボールだった。それほどきわどい球を不破は自信を持って見送っていた。青島は唇をかんだが、不破は見極めたのではなく、手が出なかったのだと思い込んでいた。
3球目。今度はインコースへのストレート。これも不破はキャッチャーミットに納まるまでしっかりと見切る。
「ボール!」
青島は初めてあからさまにいやな顔をした。しかし、それでもなお不破はフォアボールを狙って、振ってこないだけだと思っていた。しかし、カウントは0-3だ。もうボールは投げられない。青島は低目へのストレートを選択した。
アウトコースいっぱいにキャッチャーが移動する。青島はそこめがけて、渾身のストレートを投げ込んだ。そのとき、不破の体が動いた。大きく前に踏み込むと、コンパクトだが力強いフォームでボールを捕らえた。
キン!
ジャストミートした金属音が響いた。ボールはセンター方向へ舞い上がった。
~つづく~
『かたきはバットで返す!』
不破は改めて自分に気合を入れた。その気合はマウンドを通り越してセカンドベース上にいる堀部にも伝わってきた。
『頼むぜ、不破!』
ともにひとみと田島の加入でレギュラーを失った二人。しかし、思いはレギュラーの誰よりも強かったに違いない。
青島はゆっくりとしたフォームで一球目を投げる。約束どおりのインコース高めのシュートボール。不破は体をよじりながらそれをよける。青島はこれで脅しが効いたと思ったのだろう。口元に笑みが浮かぶ。
青島にしてみれば、ここまでは計算どおりの展開。大石と武藤というキーマンをつぶし、ひとみにも精神的なダメージを与えている。そして延長戦になれば、次は自分からの打順。ひとみがいくら気持ちが強いといっても、打つ気にさえなればスタンドに放り込むこともできる。明日の一面は自分がもらった・・。そう考えていた。
二球目。アウトコースへ152キロのストレート。それを不破はしっかりと見極める。
「ボール!」
どちらにも取れるボールだった。それほどきわどい球を不破は自信を持って見送っていた。青島は唇をかんだが、不破は見極めたのではなく、手が出なかったのだと思い込んでいた。
3球目。今度はインコースへのストレート。これも不破はキャッチャーミットに納まるまでしっかりと見切る。
「ボール!」
青島は初めてあからさまにいやな顔をした。しかし、それでもなお不破はフォアボールを狙って、振ってこないだけだと思っていた。しかし、カウントは0-3だ。もうボールは投げられない。青島は低目へのストレートを選択した。
アウトコースいっぱいにキャッチャーが移動する。青島はそこめがけて、渾身のストレートを投げ込んだ。そのとき、不破の体が動いた。大きく前に踏み込むと、コンパクトだが力強いフォームでボールを捕らえた。
キン!
ジャストミートした金属音が響いた。ボールはセンター方向へ舞い上がった。
~つづく~