久しぶりの更新です。


年度末はいつも通り忙しく、なぜかその忙しさが先週まで続きました。


忙しいなど、何かに追われていると、人間気が立ちます。


ささいなことで頭に来て、人と衝突することもあります。


目に見える具体的な衝突はありませんでしたが、


私の事務所も、特に年度末は皆そろって忙しく、


皆の憤怒ゲージがいつもより高かったように思います。



さらに今月初めには、エイプリルフールだというのに例の調査報告がありましたね。


この日はフールであるとともに、もう一つもっと重要なのが、


消費税率があがった初日でした。


調査報告のネタがなければ、当日のニュースは消費税消費税ばかりになったのではないかと思います。


ここに、調査報告の日取りが1日だったこととの関連を感じてしまいます。


政府関係者から、国民の視線をずらすために1日に報告してよ、


というやり取りがあったのかな、などと阿呆なことも考えてしまいます。


それとも特定国立研究開発法人の指定を受けるためでしょうか。



とまあ、年度末その後少しは仕事が忙しくて気が立ち、


さらに報道は誰かの批判ばかりで、


こういう状態でいると、どんどん気が荒んできます。


人生どうでもよく、とまではいかないですが、


自分の中に雑な気持ちが出てきてしまいます。



そんな状態の時に読んで、


多くを気づかせてもらいました。

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やはり人間大事なのは、初心や人間としての基本ですね。


この本に気づかせてもらいました。



挨拶と笑顔を忘れず、明るく楽しく元気よく



小学生みたいですが、こうやって仕事ができたら素晴らしいだろうなと感じます。



仕事をする者、そして人間としての基本や、初心を忘れずにいたいものです。


ちなみに私の弁理士の初心は何だったかな、と思い出してみたんですが、


正直特にありませんでした。


法律に興味を持って、法律と理系の知識が使える仕事がないかな、


と探していて弁理士を見つけたのがきっかけですが、


決め手は、弁理士を目指すかについて大学の先生に相談していて、


「君の話を聞いていると、君が弁理士になれるとは思えないんだよね」


という言葉にキレたことでした。



そういう感じで大した大義名分もないまま弁理士になって今に至るわけですが、


親や、実はこれから子供が生まれる予定なのですが、子供に、


胸を張って、自分はこういう仕事をしてるんだよ、と言える仕事をしていたいと考えています。


これが全てなのかな、と感じています。


しかし、これの達成はなかなかに難しいものです。



さて、私はこんな、特に初心のない人間なわけですが、


皆さんには、初心があると思います。


初心という言葉が少し違っていたとしても、


弁理士を目指そうと決めた理由があるはずです。



短答試験が近づいてきて、ラストスパートに入って心理的余裕がない人もいるかと思います。


特に模試など何かで成果が出ないときは、特に気が荒みます。


やる気もなくなってしまうかもしれません。


しかし、ふと10分くらいでもいいので、


初心て何だったのかな、と思い出してみると、


気持ちが落ち着き、またやる気が出てくるのではないかと思います。



ちょっと読んだり見たりすれば自分が初心を思い出せて、


気持ちが落ち着く。


そんな何かを作っておくとよいかもしれないですね。

年度末も明日で終わりですが、


皆さん仕事の状況はいかがでしょうか。


年度末は決算もありますし、


企業の発明者さんその他の方にとっても節目となるところなので、


特許出願が多くなります。


特許事務所もこの時期は非常に忙しいです。


私は特に、この最後の一週間が忙しかったです。


ここばかりは週末の休みもありません(今日は休んだんですが)。



私は年度末期限のものをもいくつか抱えていて、


まだ提出できていないものがいくつかありますので、


明日も忙しくなりそうです。



そんなこんなで今週末は非常に忙しかったのですが、


最近PCが新しくなりまして、Wordが2010になりました。


すると、ある文書ファイルの一定の個所の文章が必ずバグるようになり、


これにはなかなか手を焼きました(汗)


さらに、ネットのHTML形式の文章をWord文書にコピーして、


その部分を通常の形式に変えようとすると、


なぜか「Wordがプログラムを終了しました。」というような表示が出て、


その表示を消すとWordが終了して、


それまで作業していた(直前にセーブした以降の)内容が全て飛びました。


それが金曜日の夜10時近くのことで、


さすがにそのときはPCに殺意を覚えました。



ところで一方、短答試験は後2か月を切りましたが、


ここから弁理士試験挑戦の方は、もうラストスパートに入っているでしょうか。


今年も短答試験は合格点が39点以上のようですね。


合格最低点があがってくると、一つの科目を捨てることも難しくなってきますね。


短答試験は、全体としての合格基準点だけでなくて、


それぞれの法律ごとに足切りの点数を設けよう、


という話もずいぶん前から上がっています。


そういうこともありますし、また広く法律を勉強しておくと、


実務をするようになってから何かしらいいことがあるので、


私個人としても、全ての法律(科目)を勉強することをお勧めします。


PCT規則は別ですが(これは過去問だけでいいでしょう)。



それで、年度末の話に戻りますが、


短答試験に向けてラストスパートの勉強をしている方もいるかと思いますが、


一方事務所勤めだと、この年度末の時期が一番忙しいので、


勉強に割ける時間が短いかもしれませんね。


ただ、事務所によっては弁理士試験休暇というものを認めているところもあるようです。


弁理士試験休暇があるかどうかや、


試験の近い時期に試験時間を確保できるように何か配慮してもらえるのか、


こういったことも、転職面接のときに質問してもよいかもしれませんね。



今日の記事は最高にまとまりがなかったですね。


申し訳ないです。


次はもっと絞ってまとめていきます。

1月末にこのブログでも取り上げました、STAP細胞ですが、


メディアの手のひら返しっぷりはすごいですね。


私は、論文には、まあ指摘されているたくさんの不備はあるんだろうけど、


STAP細胞自体はできたのだろう、と信じています。


理研からSTAP細胞の作り方の詳細も公表されましたし、


早く第三者による再現実験成功の報告を聞きたいところです。



しかし、ここまで報道が過熱すると、


再現に成功したとしても、そうするとその第三者さんにも疑いの目が向いて、


その人の過去の論文にコピペ・データ等の誤りがないか根掘り葉掘り調べられそうで、


再現に成功したと発表するのにも相当の勇気を要しそうです。


嫌な社会です。



しかしメディアについて考えてみると、


一人の人(物事)で二度数字をかせげるネタを提供してもらって、


それに飛びついてメチャクチャにこきおろして。


節操がないです。



「このたびは世間を大変お騒がせし、まことに申し訳ありませんでした。」


という定型文のあいさつをしてからは、


記者たちに質問されても、「未熟な研究者が無責任に・・・」


などと、最初のお約束の謝罪はしますけど後は全部本人が悪いんですよ、


というように聞こえる発言をしているのも、ひどいなと感じます。


少なくとも私が見た会見映像では、


最初の定型文以外に、ストレートにごめんなさい、


と謝罪する場面はありませんでした。

ぜひ再現実験に成功したとの報告がなされて、


その報告をした人、機関について行われるであろう身体検査がされ、


STAP細胞というものが現実に存在すると世に知らしめてほしいものです。


そのときにはメディアが3度おいしい思いをするので癪にさわりますが。



さて、私の個人的な不満はこの程度にしておいて。


話は急に変わりますが、ある人のメールマガジンで読んだと人から聞いたことです。


最近はAKB、EXILE、嵐、ももクロZ、などなど、


チームが人気があります。


個人の歌手に比べて、こういう団体が人気があります。


個人より団体、これから連想されることについてそのメルマガでは触れられていたそうですが、


これ以上書くとアメーバの規約に触れそうなのでやめます。


私はこのメルマガに関する話を聞いて、


なるほどー、確かに、と感じましたし、同時に怖くなりました。



それで、今回の記事の最初の、メディアの手のひら返しに立ち返るのですが、


何でここまでこき下ろすのだろう、と考えてみると、


もちろん、この成果を達成した(まだ第三者による立証(?)がないので「かもしれない」でしょうか)人が、


女性、30歳で、あの外見ということが、世の理系(主に)研究者の嫉妬を買い、


徹底した論文の検証、その結果に基づく疑問・批判の発表がなされた、ということもあると思います。


実際論文にそういう不備があったために、


しょうがないと言えばしょうがないのかもしれませんが。



それともう一つ私が考える、というか何となく感じることが、


上記の「個人より団体」の話です。


一人の人間が、それもこんな若いうちに突き抜けると、


こうやって周りから袋叩きにされるんだよ、


叩きのめされるんだよ、


ひどい目にあうんだよ、


だからみんなと息を合わせて、協調して生きていこう、


個人(自分)より団体(みんな)のために生きていくことが大事なんですよ、と、


メディアが意図してか意図せずしてか、


そういうメッセージを送っているように思うのです。

もちろん今回の件をはじめとして、批判される部分があれば批判されるのは当然です。


しかしそれはどの程度の「程度」でされるべきものなのか。


今回の件は、その「程度」を大きく上回っていると思います。


小さな頃からマンガでヒーローを見て育ってきた自分には、


これは恥ずかしい、カッコ悪いことにうつります。


悟空は力の加減が下手なのでよく敵キャラを殺しちゃいますが、


自分で戦闘不能になったフリーザは殺さなかったんです。


気を分けてあげたのにそれを使って攻撃してきたから、


「バカヤロー!」と言って、やってしまったんです。


ルフィだって敵をボコボコに殴りますが、殺しません。


勝ちが決まったところで終わりにするんです。



よってたかって叩きのめす、


そういうことをする人間、組織が白い目で見られ、そういう行為を改める、


そういう世の中を作っていきたいものです。




我々特許事務所で働いている者としては、


よく拒絶を受けます。よく受けてはいけないのですが、


実際問題一つの出願について拒絶理由を受けないことはほとんどないですし、


拒絶査定になることもあります。


拒絶査定も拒絶査定不服審判で覆すことができるのですが、


今回、特許査定を取り消させた事例を知りましたので、


紹介したいと思います。


平成24年(行ウ)第591号 行政処分取消義務付け等請求事件


です。



特許になってめでたいのに、なぜ特許査定を取り消させたのかというと、


代理人が出願人の指示と異なる特許請求の範囲の補正をしてしまい、


そのまま特許査定となり、出願人にとって意味のない特許になってしまう状況だったからです。


これは、本件の場合でもそうだったのですが、


出願人が外国人である案件(いわゆる外内案件)であり得るものです。


外国人からの指示はたいてい英語できますので、


補正は、英語で指示されたものを翻訳していくような形になります(どうも本件では日本語でやりとりをしていたっぽいですが)。


そうするとその翻訳の過程でミスが起きる可能性があります。


翻訳ミスが起きないよう、各事務所、各人が、様々な工夫をしています。



本件については、翻訳ミスだったのかはおいておいて、


とにかく出願人の指示とは異なる特許請求の範囲の補正をしてしまい、


代理人は何としても特許査定を取り消させて、


指示通りの補正をしなければ、と必死の思いだったと思います。


実際、判決文の中の原告の主張からも、その気迫が感じ取れます。



本件については、どのように特許請求の範囲を補正するか、


事前に審査官と相談したのだけれども、


提出された補正がそれと全くかみ合っていなかったこと、


本願明細書の内容や引用文献の内容を考慮しても、


やはり不自然な点が多いことといった特有の事情があり、


審査官が十分に自身の義務を果たしていなかったということで、


特許査定が取り消されました。



そうすると本願はこの後どういう経過をたどるのか、


特許庁から再度拒絶理由が出るのか、


間違った特許請求の範囲の補正書に対する補正命令が出るのか、


色々気になるところです。



しかし、特許査定を取り消させることができるのですね。


勉強になりました。


なお、本件は特許査定後の分割出願を可能とする法改正の施行日前の出願であり、


査定の後に分割出願ができませんでした。


また法改正後の出願だったとしても、


前置審査での特許査定だったため、


特許査定後の分割出願ができませんでしたね。


本当に特殊で、様々な要素が重なったケースかと思います。

人にすすめられて読んでみました。


原子炉時限爆弾/ダイヤモンド社
 
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ちょうど最近地理の勉強もしていて、


新期造山帯といった言葉にもなじみが多く、


興味深く読みました。



私の印象では、著者の広瀬さんの一番主張されたいところは、


日本は地震が起こりやすく、しかも地盤の固くない国であり、


そんなところに原発を建設するのはあり得ない、


日本を破滅に導くぞ、というところかと思います


(さらに政府関係者や経済との利害関係が大きく、


それらの都合で安全基準などがいいようにコロコロ変わる、


といったことかと感じました)。


この本が出版されたのが2010年半ばであるというのも、


何か感じるところがあります。



しかし一方でこの本、明らかに言っていることがおかしい、


論理的でない、科学的でない、


と感じるところが随所にありました。


「正確に推測している」という日本語を見たときは、


思わず吹き出してしまいました。


中学生の時に友達が「多分絶対の確率で」と言っていたのを思い出します。


多分なのか絶対なのかどっちなんだよ(笑)



しかし、だからと言って上記の、


広瀬さんが一番主張されたいと私が感じた部分が否定されるわけでは、


全くありません。



Amazonでレビューを見ると、東日本大震災前は、


こういった細かい点で非論理的、非科学的なところがあることを指摘して、


低い評価をしている人がいました。


なお、この本で広瀬さんが一番主張されたいと私が感じたことについては、


誰も何も指摘していませんでした。


一方、震災の後には、一般人を含めて様々な人が読まれたようで、


高い評価も多く、さらに低い評価をしている人に対してコメントでやりあっていました。



そして、低い評価をしている人たちを見て感じたのは、


人の言っていることの一部でも否定できる材料を見つけて、


それを指摘すれば自分の勝ち、


とでも思っているのではないか、ということです。



こういった考え方の傾向は私にも多分にあるところで、


一種の理系病とも言えるのではないかと思います。


どんなに小さくてもいいから相手の間違いを見つけて、


指摘して黙らせて、僕が一番頭がいいんだ! と思いたい。


そんな感情が理系の人間には多くあるのではないかと思います。


もちろん皆それはあまり外に出さないようにしていますが。



そして、この理系病は、上記であまり脈絡なく出した中学生の頃に、


その起源があるのではないかと思うのです。


中学生の頃と言えば思春期・反抗期まっさかりで、


非常に性格が悪く口も悪いです。私は目つきも悪かったです。


両親・友達を含めて誰かを非難することに命をかけていました。


少なくとも私のいた中学はこんな感じだったんですが、


皆さんはどうでしょう?



そして中学に入って1年がたち、中学に慣れて、


また高校受験という悩みもない、一番楽な学年、


つまり中2で(特に男子)学生がかかるのが中2病です。


中2病というと、自分がマンガやゲームの世界の主人公ではないかと妄想し、


色々勝手に自分で設定する、といったことが多いかと思います。


中2病だった私の設定では、私は20歳までにはスーパーサイヤ人になって地球を壊しているはずでした。


私がスーパーサイヤ人にならなくて本当によかったです。


ちなみに私は20歳くらいのときに、自分は普通の人間で、


空を飛んだりはできないな、と悟ってしまったのですが、


皆さんはいつ頃気付いたでしょうか。



さて、くだらない話が長くなりましたね。


妄想型の中2病に加えて、上記の、人に悪口を言いたくて仕方がない、


というのも中2病の症状の一つと言えるのではないかと思います(悪口型中2病としましょう)。


そしてこの症状を患ったまま高校を出て大学で、特に理系の知識を学ぶと、


自分と同じ専門分野で学んだことが無い人は、


絶対に知らないような知識を得ることが出来て、


また、論理的に話せるようにもなってきます。


そして社会人になってさらにその知識を深めると、


本当に専門が同じでない人は追い付きようがないところまでいくかもしれません。



そうすると悪口型中2病の症状が出ても、


相手を黙らせることが出来たり、すごい、そんなこと知ってるの?


などと褒めてもらえたりして、この病気を治す必要がなくなってくるのかもしれません。


というよりも治せなくなってしまうのかもしれません。


そして理系病として完成する、でしょうか。



こういう経過をたどるのかはよくわかりませんが、


全体のうちわずか一部でも批判できるところがあれば批判する理系病はよろしくないですね。


もっと全体を見て、物事、人の意見を考えていきたいものです。



そのためには、前回の記事とかぶりますが、視野を広くしていくこと、


そして視野を広くするためには、自分が慣れないことでも最初から拒絶せず、


何でもまずは受け入れてみる素直さが必要なのではないでしょうか。

なお、上記の広瀬さんの本、さらに


大学で原子力を研究しながら反原発派である方の本を読んで、


すっかり私は反原発になりました。


これから原発推進派の方の本も読んでみて、


原発についてよく考えてみようと感じた次第です。