第6回は、『尊徳翁の一生と実践』その教え②について、尊徳記念館ボランティア解説員の
川瀬明徳氏による講演と二宮尊徳いろりクラブの皆さんが自作のかるたについてお話があった。
1.尊徳が教える『徳との付き合い方』
①万象具徳・・・万物、森羅万象に『徳』あり。米一粒にも「天地人の三徳」により生じ、人は皆身命を養う。
②徳との付き合いかたで生き方が変わり、世の中が変わる。
③天地は「大父母」だと考える。身体の根元は父母の生育にある。父母の根元は祖父母の丹精にある。
④先祖の「徳とのつき合い方」をこう考える。先祖は生産・再生産を繰り返し、無限循環させて社会を永続させてきた。これが「至誠・勤労・分度・推譲」つまり、報徳の実践である。
⑤私たちの為すべきことは、私たちの先祖の恩・お陰をしっかり受け止め、報徳を実践し、次世代に引き継がなければいけない。
2.報徳訓は、唯一本人自作のもの。
①父母根元在天地令命 父母の根元は天地の令命に在り
②身体根元在父母生育 身体の根元は父母の生育に在り
③子孫相続在夫婦丹精 子孫の相続は夫婦の丹精に在り
④父母富貴在祖先勤功 父母の富貴は祖先の勤功に在り
⑤吾身富貴在父母積善 吾身の富貴は父母の積善に在り
⑥子孫富貴在自己勤労 子孫の富貴は自己の勤労に在り
⑦身命長養在衣食住三 身命の長養は衣食住の三つに在り
⑧衣食住三在田畑山林 衣食住の三つは田畑山林に在り
⑨田畑山林在人民勤耕 田畑山林は人民の勤耕に在り
⑩今年衣食在昨年産業 今年の衣食は昨年の産業に在り
⑪来年衣食在今年艱難 来年の衣食は今年の艱難(カンナン;辛いこと)に在り
⑫年々歳々不可忘報徳 年々歳々報徳を忘るべからず
12句、4連、各句9字、総字数108字からなる教えである。
その目指すところは、「報徳訓」を楽しく安心して実践できる世の中、善悪が明瞭で、
皆が信頼し合い、弱者も安心して生活できる世の中である。
現代社会にも求められている何かを啓示しているようであった。