以前の記事で、客家語が標準語になっていたかもしれない説を紹介しました。
自分の客家愛を抜きにしても、客家語が中国の標準語だったらよかったのに、と思うことがあります。
北京語との比較だけでなく、その他の比較的メジャーな方言と比べてみても、客家語を標準語にするメリットって多い気がするんですよ。
以下、その理由を思いつくままに挙げてみると…。
①そり舌音がない。
中国人ですら、ほとんどの地域の人が苦手としているそり舌音がない!日本人にとっても学びやすい!
②声調が(それほど)多くない。
広東語では、9つもの声調があり、平らに発音する調値ですら、高い音、中ぐらいの音、低い音と三種類もあって、聞き分けが非常に難しい。客家語は6つほどありますが、もし四縣方言をベースにするなら、上昇する音、下降する音、高い音、低い音の4つを聞き分ければよいのです。わかりやすい!
③連続変調の規則が簡単。
台湾語や潮州語のように、文の末尾の音節以外全てが変調するなどという、罪深いほど複雑な変調規則は、客家語にはない!
④北京語と広東語の中間的な言語なので、どちらの話者も学びやすい。
中古の中国語の音韻特徴を比較的よく守っているので、どの方言区の人も、共通点を見出しやすい!
日本人や韓国人、ベトナム人なども、発音の類似性を発見しやすいと思う。
⑤入声が保たれている。
個人的に一番大きいポイントがこれ。入声は、日本語で言えば促音の小さい「ッ」みたいなの。北京語にはとうの昔に失われております。
入声が持つ弾むようなリズムがなければ、民謡はスカスカと気が抜けたような響きになるし、古典詩を読む味わいも半減します。
入声のない中国語なんて…まるで、ビートの効いていないロックだね!
以上、独断と偏見と個人的趣味による見解でした…。
まあ、何事につけても天邪鬼でマイナー志向の強いあーばおごーなので、客家語が標準語として君臨していたら、果たして勉強していただろうか。
北京語の反り舌音をこよなく愛する男のブログ…とか書いていそう(汗)