「誰でも自分は特別だと思ってるじゃないですか。


自分じゃなきゃとか俺にはきっと何かできるはずとか、根拠なんて何もないのに勝手に自信持っちゃってる奴もいれば、私には何か特別なものがあるはずなんだと当てもないのに探してる奴もいますよね。


まあ、自分が特別だと信じたいのはわかるし、自分の中で勝手に信じてる分には別にいいんです。


でも、結局そういう奴らって、自分の特別が発揮できないのは、機会に恵まれてないからだとか、今の部署が合ってないからだかとか周りのせいにするじゃないですか。


そして、挙句の果てには上司が悪いとか言い出すんですよ。


まったく、笑っちゃいますよね。

もっと自分のことよく見ろっつーのって感じですよ。


人間なんてちょっとしたレベルの違いはあっても所詮似たりよったりで、特別何かができるやつなんて滅多にいないんですから。


そもそもみんなが特別だったら、特別なんて言葉に意味がなくなっちゃうじゃないですか。」


などと、飲みの席で主張する前の会社の後輩の顔を見たら、特別太い鼻毛が飛び出しててビックリした。

ガキの頃、外国にはサンタクロースってのがいてて、クリスマスには子供たちにプレゼントを配って回るんやと信じてました。
外国の子供たちがうらやましかった。
サンタもクリスマスプレゼントも外国の話と思っていたのです。

一度、幼稚園のクリスマスパーティでサンタがやってきたときも、ホンマに外国から来たんやと思い込んでました(実際は、園長先生やったんかな)。
夜中ではなかったし、外国の子供たちにプレゼントを配りに行く前に、うちの幼稚園に来たんやと。

小学生のときは、友達がクリスマスプレゼントにアレをもらったコレをもらったって話をしてるのを聞いて、すごい不思議でした。
お前ら実は外国に住んでるのかとか思ってみたり。

中学で初めて彼女ができて迎えたクリスマスで、彼女を傷つけたことも。
彼女の家で、二人でクリスマスパーティをしたのですが、彼女がプレゼントを用意してたのに対し、俺は何も用意してなかったから。
だって、サンタ以外がクリスマスプレゼントをあげたりするなんて、発想もなかったし。

そんなわけで、俺は、サンタについて裏切られたことがありません。
毎年プレゼントをくれてたのが実はサンタじゃなく親やったんやと夢を壊されたこともありません。
プレゼントをくれるのはサンタだけで、それは外国にいてると思ってたから、サンタがいるいないを身近に考えることすらガキの頃に通過してないのです。

そのせいか、今でも、なんかサンタの存在を信じているところがあります。
南極だか北極だかにサンタの家があって、クリスマスイブになると、すごくすごくすご~くいい子のところにだけ、素敵な贈り物を届けてる、ってそう感じてしまうのです。

そんなピュアな俺に、みんな惚れたらいいと思います。
下りのエスカレータを上りながら人生の厳しさを考える。

歩きながら思い出し笑いをした瞬間に前から来た女と目が会う。

慣れないブーツでひどく靴ズレする。

考えごとしながら頭をシャワーで流してるうちに、シャンプーはまだなのかリンスまで終わったのかわからなくなり、結局最初からやり直す。

雑誌の「男のための“モテ”テク」というタイトルを見てバカにしながらもついつい気になって結局読む。

コンタクトしてるのに眼鏡をかけて目が眩む。

お世辞を言わない自分を誇り、言えない自分にイラだつ。

いつからか勝手にやってくるようになった出会い系サイトの女からのメールに返信しそうになる。

カッコつけてみたのに誰も見てなかった。

サラリーマン金太郎の16巻を二冊持ってる。

上りのエスカレータを下る方が難しいことに気づく 。

ウォーリーがいまだに見つからない。

毎食後必ず歯を磨いているのに、歯科検診で虫歯が二つ見つかる。