周りがピンクに染まり始めたのはいつだろう。
好きになるのは女の子だったし、キューティーハニーを見て興奮するようなガキだった。
スカートは履かない。
髪は短い。
持ち物は青が多い。
ランドセルを買うとき、わたしは「黒じゃないと嫌だ」と大騒ぎした。
結果、勝手に真っ赤なキティちゃんのランドセル(わたしはキティちゃんが好きだった)を祖母からプレゼントされ、渋々使うことにした。
エプロン、裁縫道具、彫刻刀、習字道具、わたしが選んだのは青か黒のデザインばかりだった。
ポケモンデザインの机に、ポケモンの青い自由帳を使っていた。
遊びに来た子に「男みたい」と言われた。
なぜ? わたしには理解できなかった。
一人称は「僕」だった。
気が付いた頃には、恋愛対象に男性がいた。
しかし使うものは青だった。
少しだけ付き合った彼に言われた。
「髪を伸ばして、わたしって言ってごらん」
わたしは髪を伸ばし、一人称を変えた。
気がつくと、周りにピンクが溢れていた。
「かわいい」もので溢れていた。
なぜ?