日曜日の買い物客でにぎわう東京新宿にある百貨店「伊勢丹」に、男から爆破を予告する電話があった。その内容は「爆弾を仕掛けた。3時に爆発する。ダイナマイト30本ぐらいの威力で、相当の犠牲者が出る」というもの。同百貨店はただちに四谷署へ連絡し、その一方で店員たちが各持ち場を点検した。パニックになるのを避けようと、「消防訓練をするため、店員の誘導で館外へ出て下さい」と館内放送を流し、2時10分ごろから避難を開始。店員らの的確な対応により、約1万5000人の買い物客は混乱することなく外に出ることができた。その後、四谷署員と機動隊員が館内の捜索を行うと、新館地下1階のごみ箱から不審物が見つかる。直径9cm、長さ12cmのアルミの円筒であったが、警視庁爆発物処理班が調べてみると、中身はただの白いペンキ。避難開始から2時間後には営業を再開した。同百貨店の日曜日の平均売り上げは約10億円。売り上げがピークになる時間帯に起こったこの爆弾騒ぎで、損害はその半分にも及んだという。