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「そっくり方式」ではなく、「あの感じ方式」で。

 

 

猫の置物をインテリアとして身近に置き、気持ちをリラックスさせる。そんなことを目指して猫のフィギュアを制作しています。その制作で私がたどり着いた作り方についてお話しさせていただきます。

 

 

猫の魅力を、どうすればフィギュアとして表現できるのか? 私はそれを「そっくり方式」ではなく、「あの感じ方式」という手法で作ることにしました。


これは、このような呼び方があるわけではなくイメージしやすくするために、今、私が仮に作った呼び名です。





まず「そっくり方式」と言ったのは、写実的な描写のようなやり方です。写真のようにそっくり。それは基本的には正確な比率などでリアルな描写を追求していく方法とします。


その方法で表現する作品は多くあります。そして本当にネコの雰囲気を持ったすばらしい作品もあります。


しかしこの方法で良い作品にしていくには、猫のかわいさだけではなく動物としての強さとか厳しさとかシビアな表現がより向いているように感じています。


そのため雑貨や人形的なものよりも、アートとしての彫刻作品などが多いように感じます。


一方、私は描写的な表現よりも、あの、猫の「かわいさ」そのものを純粋に追求したくて、猫からくる「あの感じ」を表現するため、違う方法をとりました。


それが「あの感じ方式」と仮に言ったのですが、これはリアルな描写ではなく、デフォルメも含めて「猫から受ける印象」を表現するというやりかたです。わかりにくくてすいません。





これ言葉で説明するのが難しいので、例え話しで言いますと。


葛飾北斎の大半の富士山は頂上が鋭角(角度90度よりも鋭い角度)ですが、実際の富士山はまったく鈍角(90度よりも開いた角度)です。

 

 

この話しはけっこう有名です。

 


「葛飾北斎 凱風快晴」


さてこの話は、富士山を写実的に描写したら鈍角に描くことになるが、しかし印象としての「富士山の感じ」は鋭角のほうがむしろ多くの人のイメージには忠実ではないか、ということだと思います。


また別な例で言うと、よく風刺画などで政治家が非常にデフォルメされて描かれることがありますが、あれはカリカチュアという、やはり実際とは違うけど、本質的に多くの人が受ける印象=「あの感じ」を表現したもので、やはりその人物を的確に表現したものだと思います。


そして私は、この「猫の印象を表現」したくて写実的な「そっくり方式」ではなく「あの感じ方式」で表現することにしました。


ではその「あの感じ方式」とは具体的にどように作っているのか。



 

少しのデフォルメと、最重要な「顔」。

 

 

「あの感じ方式」の造形について、私なりの具体的な方法をご紹介します。

 

 

まず一番大きな考えとしては、体は極力写実的な表現をベースにします。しかし一方、頭部=顔は、私自身の造形世界で表現する。という方法です。

 

 

体について、さらに詳しくお話ししますと、いわゆるデッサンの感覚です。ネコの骨格や筋肉や、さらにその上に柔らかい毛があって、などを意識してフォルムにします。

 

 

そこで、骨格にあまり矛盾がないように、そして骨や関節が体の表面に近いところは堅そうな感じで、毛の膨らみでできている部分はやわらかそうな感じを意識します。

 

 

以下の2つの写真は、原型を作るときに骨格やフォルムの質の違いを説明するためにつくった説明用の図です。

 

 

このように体のベースは写実的なアプローチですが、しかしすべてリアルということではありません。

 

 

 

代表的な2つのデフォルメのケースをご紹介します。

 

 

1つは、足先です。本来は指の関節もあり、ボコボコと抑揚があるのが本来の猫の足先ですが、私はここをもっと丸っこく、抽象的なフォルムにしています。

 

 

私のイメージでは、この丸っこい足がネコの印象を作るフォルムのひとつに思ってます。

 

 

 

 

もう1つのデフォルメは「動き」に関するものです。作品「ツメとぎ」がわかりやすいので、これで説明します。

 

 

ツメとぎは、写真などで見ると、つま先を伸ばすケースが多いように思われますが、「ツメを下に引いている力、のニュアンス」を出すために、重心を下げるカタチ=つま先立ちではなく足の裏が着く体勢にすることと、

 

 

そもそも下半身のボリュームも実際のバランスよりも厚めにて、ツメとぎで手を引くニュアンスを強調するデフォルメをしています。

 

 

微妙なことですが、このようなことの積み重ねで全体としての動きの雰囲気がでてきます。

 

 

 

 

やっぱり「人形は顔が命」

 

かなり昔(数十年前?)、ひな人形メーカーのCMで、「人形は顔が命」というフレーズをずっと使ってきたブランドがありました。かなり多くの方は記憶にあるのではないでしょうか。

 

 

その当時は特に思うことも、気になることもなくただそのフレーズだけは記憶していた程度です。

 

 

しかし今、ネコフィギュアを作るようになってあらためて「キャラクターは顔が命」と思うようになりました。それは、作り出す「広義でのキャラクター」は、ほぼすべて「顔」でその個性が決まると、私は感じます。

 

 

それだけ顔は重要なパートだと思います。

 

 

私はここで、ネコの描写ではなく、「自分にとってのネコの存在のイメージ」をカタチにしようと思いました。

 

 

その結果できたのが今の顔です。ここに至るまでは、それなりに試行錯誤がありました。

 

 

 

 

理屈だけで考えると、体は写実的なのに、頭だけ別な表現だと、ちょっと気持ち悪くなるのではと考えそうになります。しかし、それが問題ないだろうことは、さまざまなキャラクターを見ればすぐにわかります。

 

 

昔からアニメのキャラクターなどは、リアルな人間だとすると、あきらかに目が大きいケースは圧倒的に多く、しかし気持ち悪いとは感じません。ドラえもんののび太くんもそうだし、ナウシカもそうです。

 

 

なぜ気持ち悪くないのかはわかりませんが、しかし頭部=顔はリアルから離れても大丈夫なんだということは勝算があったので、そこで自分にとってのネコのイメージを探りました。

 

 

このような経緯によって、私なりのネコのキャラクターが見えてきて、そして数をこなすことでだんだん安定してきました。

 

 

立体、平面を問わず、今でもそのたびに、よりかわいくなるよう試行錯誤が続いています。今後もかわいい猫を目指して1点づつ、描き、作っていきたいと思います。

 

 

なお、そのネコキャラクターの新旧をすべて見ることのできる私のギャラリーサイトをご紹介します。

 

 

●ベニエダのギャラリーサイト

 https://benieda.com

 

 

 

 

 

また、このネコたち。万が一ご希望の方は購入も可能なので、ハンドメイドマーケット。Creemaとminneもご紹介しておきます。ぜひご覧ください。

 

 

 

●Creemaのベニエダのページ

https://www.creema.jp/c/benieda_c/item/onsale 

 

 

 

●minneのベニエダのページ

https://minne.com/@benieda 

 

 

 

長い間、おつきあいいただきまことにありがとうございます。