今や、その名を聞かない日はないほどの「パンケーキ」。

長ーい行列に並んででも食べたいその気持ち、よくわかります！

でも、よく考えてみると「パンケーキ」っていつどこからでてきたものなのか、

お店に並んでいる女子高生に聞いても多分、答えられないのでは......？

かくゆう私も「美味しい！インスタ映え～」と

よだれを垂らしながら写真をパシャパシャ。

そのうち、お腹周りにお肉となって「やあ！」と現れる。うん、辛い......。

だけど、やめられない魅惑のスイーツ。

そんな甘い甘いあの子を丸裸にして、ちょっとした秘密を暴いていこう～！

そもそもパンケーキってなあに？

パンケーキと言えば、小麦粉・卵・牛乳・砂糖などを混ぜてふわふわに焼いたもの。

そんなイメージを持つ方が多いかもしれませんが、

実はそのイメージ間違ってないんです！

パンケーキの「パン」とは平たい鍋（フライパンなどを含む）という意味で、

上記の材料を混ぜ、プライパンなどで丸型に焼いたものを「パンケーキ」と呼ぶようです。

「でも、それじゃあホットケーキも一緒じゃない？」

......確かに。

私の素直な印象としては、

ホットケーキは「お母さんが作る昔ながらの優しい味（バター＆メープル）」

パンケーキは「外国からきたハイカラなおやつ＆食事（フルーツ＆生クリーム）」

調べてみると、あの有名な森永製菓さんは、

ホットケーキは「基本の材料を混ぜ円形に焼いたもの。甘くて、厚みのあるもの」

パンケーキは「砂糖を使わず、食事に合うもの」

と分けてミックス粉を製造しているそうです。

よくよく考えると、パンケーキの定義が

「小麦粉・卵・牛乳・砂糖を混ぜて平たい鍋で丸型に焼いたもの」ならば、

「パンケーキ」の中に「ホットケーキ」も含まれている、ということになりますね。

うーん、ややこしい。

より違いをはっきりさせるために、

2つの魅惑のスイーツの歴史をちょっくら掘り起こしてみましょう。

おばあちゃん　VS　若者　？

先ほども書いた通り、

ホットケーキと言えば「昔ながら」、

パンケーキと言えば「今時」というイメージが付きがち。

では、生まれたのはどちらが早いのか？

実は、先におぎゃあと声を上げたのはパンケーキ。

その生まれはなんと古代ギリシャ時代にまで遡るらしいのです。これは驚き。

当時は熱い石で小麦粉と水を混ぜたものを焼いていたそう。

（あまり美味しくなさそうですね。）

そしてホットケーキが産声を上げたのは、明治17年（1884年）。

（ちょっと細かい話になるので、難しい話嫌い！という人は飛ばしてください。）

イギリス人ウィルレム・チャンブルが書いた「百科全書」という本。

そこに出てくる「薄餅」（バオビン）という料理を文部省が材料や作り方を和訳。

この時はまだホットケーキとは呼ばれていなかったようです。

時は進み、大正12年（1922年）、

デパートの食堂で「ハットケーキ」という名前で、提供がスタート。

さらに時が進み、昭和6年（1931年）

「ホットケーキ」という名称で呼ばれるようになった。

少し話が逸れてしまいましたが、

材料的には「パンケーキ」だったものを、

日本が「ホットケーキ」と別の名称で呼び始めた、と言って良さそうです。

ふむ、なるほど。

ただ、昔から甘いおやつとして食べられていた時代背景もあり、

ホットケーキが「甘い」、パンケーキが「甘くない」という区別も間違っていないかもしれませんね。

「アメリカホットケーキ」じゃ売れなかった？

「パンケーキ」という名前が日本で見られるようになったのは、

私が調べた限りでは昭和49年（1974年）から。

この年に何があったかというと、

あのファミリーレストラン「デニーズ」の1店舗目が横浜にオープン。

デニーズでは、開店当初から「パンケーキ」というメニューがあったそうです。

当時の日本人が頼んでいたのかは分かりませんが......。

（珍しさで頼む人も多かったかも？）

テレビでよく取り上げられるようになったのは、

もうみなさんおなじみ、2010年にハワイから来た「Eggs 'n Things」。

原宿にオープンし、若者がずらーっと並び話題に。

でもなぜ、そこまでブレイク.....？

パンケーキと言えども、ホットケーキという

ほぼパンケーキのようなものを私たちは昔から知っていてよく食べていたのに？

ここからは私の想像ですが（美味しいという点は大前提として）、

・まず理由の１つとして「海外」から来た、という点。

日本が島国というのもあり、

やっぱり海外って憧れますよね。

・理由の2つ目としてパンケーキという「名称」。

「アメリカホットケーキ」と「パンケーキ」。

名前を聞いてどちらが食べたくなるかと言われれば、パンケーキですよね。

そう感じてしまうのは、半濁点が使われているから。

半濁点は明るいイメージで印象に残りやすいと言われていて、

特に「パ」行は発音しても聞いても気持ちのよい言葉なんです。

お菓子のヒット商品を思い出してみても、

「ポッキー」「プリッツ」「ポリンキー」「パピコ」とそうそうたる顔ぶれ。

原宿、という街にできたのも理由の１つかもしれませんが、

調べてみて、パンケーキが流行った理由もなんとなくわかる気がしました。

お好み焼きもパンケーキ？

やっとスッキリしてきたと思ったら、目を疑うような文章を見つけました。

「海外から見れば、お好み焼きもパンケーキ」だと。

まあ、確かに今までのことを思い返すと、

材料的にもクリア、形もクリア、プライパンでも焼けなくはないしクリア？と、

「パンケーキの定義」には当てはまっている......。

そんなことでいいのか！と世界のパンケーキを調べてみると、

国によって様々な「パンケーキ」があることが判明。

【アメリカ】

南の方では、

バターミルクを使った

パンケーキが主流。

日本ではなかなか

入手しづらい素材ですが、

ヨーグルトのような酸味と甘みがあり、

生地に混ぜる事でやわらかく風味がよくなるそうです！

【イギリス】

「クランペット」という

イーストを使って発酵させる

パンケーキ。

外はカリっと中はモッチリという

たまらんおやつ。

見た目はイングリッシュマフィンのようです。

【フランス】

日本人が聞くと、

「え？」と言われそうですが、

フランスでは「クレープ」は

れっきとした「パンケーキ」。

でも、フランスのクレープと

聞いただけでオシャレな感じがするのは

なぜでしょうか......。

【ドイツ】

「ダッチベイビーパンケーキ」

材料をスキレットに入れて

オーブンで焼くさっくりふわっとパンケーキ。

シナモンやバニラで

味付けする事が多いようです。

【デンマーク】

「エイブルスキーパー」

たこ焼き機のような特殊な機器で焼く、

丸型の甘いおやつ。

時期でいうと、クリスマスの前に

よく食べられているようです。

材料さえ揃えば、

日本でも楽しめそうですね！

【オーストリア】

「カイザーシュマーレン」

薄いパンケーキで、

焼いた後に引き裂いて食べる。

粉砂糖やアップルソースをかけて

デザートとしても、

昼食としても提供されています。

一部だけご紹介しましたが、

世界にはまだまだ他にもいろいろなパンケーキがあるようです。

気になる方は調べたり、作ってみると楽しいかもしれませんね。

ちなみに、韓国の「ちぢみ」やロシアの「ブリヌイ」も

パンケーキの中に入るというから驚きです。

美味しいから、インスタ映えするから、と今までは何気なく食べていましたが、

調べてみるとその歴史は長く、新しい発見がたくさんありました！

知識を得たことでより一層、

パンケーキが美味しく感じそう。

誰かとパンケーキを食べる時のネタとしてとっておこうっと。