先週、大阪まで文楽鑑賞に行ってきました。

『義経千本桜』を見るのは今回で2回目~

「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」「河連法眼館の段(かわつらほうげんやかたのだん)」の2段です。

ざっとしたあらすじは

兄頼朝の追手から逃げている義経は、恋人の静御前に形見である「初音」と呼ばれる鼓を渡し別れました。

頼朝の追手に連れ去られそうになっているところに現れた家来の佐藤忠信に救われます。
義経に信頼を得た忠信を、静御前のお伴として、吉野山に向けて旅をしています。

「道行初音旅」

その旅の途中、静が鼓を打つと忠信がひょっこり現れ、2人で舞を舞います。

ネタばらしをすると忠信は狐の精なので、動きが狐っぽい狐お面

見どころは人形と人形遣い(である勘十郎)さんの衣装の早着がえです!

白い狐きつね→人間忠信(黒い衣装)→狐の精忠信(白い衣装)

狐っぽい動きの忠信と可愛らしい動きの静御前の2人の対比も面白い~


「河連法眼館の段 」

義経が匿われている河連法眼の館に集結した家来たち。

義経が忠信に
「静御前の様子はどうかね?」とホクホクしながら聞くと、忠信は「ずっと母が病気で世話をしたり、自分まで病気にかかったりで、静御前のことなど知らない。」と言う。
じゃあ、ずっと静についていたのはダレだよ!?
って話になって、静を呼び出して聞いてみる。

「目の前にいる忠信?じゃなくて、ずっと一緒にいた忠信は鼓を打つと必ず現れる人デスヨ。」という。

その偽物忠信を呼び出そう!ということで、静が鼓を打つと狐っぽい動きの忠信が現れました。

話を聞くと、鼓の皮にされた親狐の恋しさに、ずっと寄り添っている子狐だという。

可愛そうに思った義経は静御前を守ってくれた褒美にと、鼓を子狐(源九郎狐)に与えるのでした。


これでずっと親狐(である鼓)と一緒にいられることになった子狐は、鼓を手に空高く飛んでいきます。

本当に飛んでいきますw

人形と共に勘十郎さんの空中浮遊(ワイヤーアクション)が見られます。

何度見ても、面白いのよね~

狐の変化(早変わり)とワイヤーアクション

義経千本桜はこの2つに尽きると思います。←そんなまとめでいいのか?

動きもダイナミックだし登場人物も少ないので、文楽初心者にもオススメの演目ですよ~



『壺坂観音霊験記』は盲目の座頭沢市と妻お里の話です。

簡単に説明すると、夫婦の情愛が通じ、壺坂観音のご利益で沢市の眼が見えるようになってめでたしめでたし扇子3という話。


お里は夫の眼が治るように、毎晩観音参りをしているのですが、沢市は「ひょっとして妻は(情けない自分に愛想をつかして)浮気をしているんじゃないか?」と疑う。

ついに「ずっと気になっていたんだけど・・・もし他にいい人がいるのなら別れてもいいのだよ。」と切り出すと、
「沢市っつぁん、何を言い出すかと思えば・・・アタシはあなたの眼のことを壺坂の観音さまに祈願していたんですよ。それなら今度は2人で一緒に行きましょうよ。」と提案します。

まぁ、お里は沢市の嫁にしておくのはもったいないくらいの別嬪さんだと町の人も噂するくらいなので、不安になる沢市の気持ちも分からんではありませんけどね~

で、これほどに自分のためを思ってくれている妻を疑うとは・・・と反省し、「眼も見えないし、仕事もできず迷惑をかけるだけだし、いっそ死んでしまおう」とまで思いつめた沢市は、お里が家に戻っている隙に壺坂寺のわきの谷から身を投げてしまうのでした。←高い崖から人形ダイブ(人形落とすw)

なにやら胸騒ぎがして、壺坂寺に慌てて帰ってきたお里は、夫の姿が見えないことを不安に思い、あちこち探し回った挙句、谷の底で倒れている沢市を発見。
ショックのあまり、自分も谷にダイブ


そこに出てきた観音さま。

「あなたが夫を想う気持ち、そして強い信仰心はよく伝わっていますよ。2人とも助けてあげましょう」

ということで、あんなに高いところから落下したにも関わらず無傷。な上に、沢市の眼まで見えるようになっていたのです。

眼が治った沢市がお里を見て一言
「アレ?あなたはどなたじゃ?」

「あなたの女房じゃないの!」

「こりゃ初めてお目にかかります。」

って、2人して浮かれていたのでした。
めでたしめでたし扇子3

H24初春文楽。

沢市とお里、着物も地味だし、てっきり中年夫婦なのかと思っていたら、実はまだ結婚して3年ほどしかたっていなかったのね~

アタクシはそのギャップのほうがビックリでしたQueenly

今回も面白かった笑う