マレーシア有閑マダム紀行 其の6
勢いで入ったポルトガル料理屋で豆と予想以上に辛いなますのようなモノをつまみにビールでノドを潤したアタクシ達
隣のテーブルでは何かの記念日らしきファミリーがたくさんの料理をならべて賑やかに記念写真などを撮っていました。
が、こちらは一向に食事をする気配もなく、ひたすら水分(ビール)補給のみで居座るオンナ2人。隣の子どもらが不思議そうに眺めていました。
外が暗くなってきたようなので、通りに出てみるとどこから降って湧いてきたのか、通りを埋め尽くす人々。
まるでお祭りのようであります。
いかにも胡散臭い出張販売をやっていたり・・・
軽く通り過ぎようとしたら、浄水器の出店にマッチャンが食いついているではないか。
店の兄さんもここぞとばかり、マイクをオンにして商品アピールを始めます。すると、どこからともなく人々が集まってきて、あっという間に人だかりができていました。
「なんか、ウチラってサクラっぽくない?」
兄さんは中国語と英語を織り交ぜながら、早口で「いかにこの浄水器が素晴らしいか」を語っています。言語は違えど、出張販売の人の手さばきの鮮やかさと言うか、言葉の巧みさっていうのは万国共通のようだわ~と感心していると、
「じゃあ、1セット買うわ。」とマッチャンお買い上げ。
「えぇ~っ!マラッカまで来て浄水器」
そして、怪しげな薬屋や相変わらずの○○モノブランドバッグ屋などを冷やかしながら、夜市を満喫したのでした。
再び素敵ホテル(マジェスティック)に戻り、少し休んでから「では、夕飯を食べに行こうか。」と持ってきた本
- 武智志穂と行くかわいいマレ-シア
- ¥1,785
- 楽天
に載っていたホテル近くのレストランを目指して歩きました。が、見当たらない
そのレストランの住所や地図が示す場所には、新しい立派なホテルが建っており
「もしかして、閉店かねぇ?」と、あきらめて向かい側にあった小洒落たカフェに入り、メニューを開いた瞬間
「あれ?ここビールがない!」と(←ここ重要!)いうことに気がつき、そそくさと店を出たのでした。
マレーシアはいろいろな宗教の人がいて、イスラム教徒も多くアルコール類を置いていない店もあるという。
途方に暮れてとぼとぼホテル方面に歩いていると、何やら店頭で食欲をそそる匂いをまき散らしている店があります。
「これは・・・あまりにローカルチックな店だな。」
「でも、そこそこ地元民っぽい客が入っているから不味くはないと思われる。」
「カールスバーグの看板がかかっているから、ビールも飲めるはずだ。」
ということで、入ってみることにいたしました。←いい加減、疲れていたし。
客か店員か区別がつかないのだが、そこらにいた少年(中学生くらい)にビールを頼み、しばらくするとホンモノの(?)店員らしき兄さんがやってきました。
「何にしますか?」
「・・・ええと、メニューはアリマスカな?」
「はっはっはっ、没有(ない。)だ。」
「おぉ~っ、この店メニューがないって(笑)」
「じゃあ、何がオススメ料理?ウチラそんなにお腹がすいているわけじゃないから、軽くでいいのよ、軽~くで。」
適当に、白身魚の入った野菜炒めや、もやし炒め、チャーハンなどを注文し、ビールを飲みながらしゃべっているうちに夜は更けていくのでした。
「こんな汚い店でも、そのカメラでオシャレ風に撮って、旅行誌か何かに投稿してやろうか。」
「ローカルでにぎわう美味しい中華料理屋さん。ただしメニューはありません(爆)」
「調理場はオープンスペース!っていうか、歩道。」
「その辺の屋台に毛の生えた感じの店だよね。」
←ポップアートバージョン。
後に店の名前を確認し、我々は「ホンジー(鴻鶏)」(←中国語読み。「何」は面倒臭いので省略。)と呼ぶことにしました。
後ろにちょこっと顔を出している白×グリーンの建物がマジェスティックホテル=こんなにご近所(笑)
「マジェスティックの宿泊客で、ホンジーで夕飯食べる人ってなかなかいないと思うよ。」
「こんなに近くなのにね。隣の隣。まさに盲点。」
「結局ホンジーの夕飯はいくらくらいだったの?」
「え~っと、日本円で千円ちょっとだと思うよ。」
「安っ!ビールも飲んでるのに。」
ちゃんと本来の(汚い)ホンジーも撮っておくべきだったと、後悔