お友達ズからの借り物。

人気シリーズ第7弾。本編完結のようです。

三上延『ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~』

 

『内容(「BOOK」データベースより)

ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残して いく―。奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって 張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった…。人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。』

 


最終巻に相応しく対峙するのはウィリアム・シェイクスピアの古書。

シェイクスピアは4冊くらいしか読んだことありません。

しかも難しかった印象しかないww

なので色んなことを知ることが出来て、大変面白かったです。

 


例えばシェイクスピアは撞着語法をよく使ったと言うこと。

 

「きれいはきたない、きたないはきれい」(『マクベス』)。

「わたしはわたしではない」(『十二夜』『オセロー』『トライラスとクレシダ』)等。

 

それとタイトルに人名が入っているものは悲劇が多いらしい。

『ロミジュリ』『リア王』…etc。


オセロゲームのオセロは『オセロー』から来ているのも初耳でした。


 

物語はシェイクスピアの貴重な古書を巡り、栞子と大輔が吉原という老人を介して、栞子の母と対決する、というものでしたが、正直本筋には余り興味がありませんww

なので振り市での心理戦も割とさらりと読めました。


 

私はただただ栞子の語る莫大な本の知識が好きで読み続けていた、と言っても過言ではありません。

このシリーズを通して、太宰治シェイクスピアの貴重な本に付いて知ることが出来て大変満足です。


 

「ああ、歓び以外の思いはすべて空に消えてゆく」


『ヴェニスの商人』のポーシャのセリフは、ちょっと覚えておきたい、と思いました。


 

栞子の母親が最後までどんな人物なのか分からず、薄気味悪さが残りました。

あとは割とみんなおさまるところにおさまった感じかな。

栞子と大輔も結婚するようだし。

この先はスピンオフでまた彼らに会えるようです。

 

 

(2018年07月 読了)