お友達ズからの借り物。人気シリーズの第6弾。

太田紫織 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 白から始まる秘密』

集中して読めば、ペースの遅い私でも2時間掛からないで読むことが出来た。

山のように本を借りているので、どんどん読んで次のお友達ズに回さなきゃなチュー

 

『内容紹介

櫻子と捜査中に怪我を負った正太郎。櫻子はこれ以上正太郎を危険にさらすまいと、距離を置くことにする。再び櫻子と共に事件を追いかけたいと思う正太郎は…。櫻子と正太郎の出会いも描かれる珠玉の作品集!

 

内容(「BOOK」データベースより)

北海道・旭川。あの夏、僕・正太郎は、櫻子さんに出会った。白いお屋敷に住む、美しいお嬢様。それが初対面の印象だった。また会えたら、なんて淡い期待を抱いていたけど、お屋敷の前で、僕は彼女が血まみれの何かを持っているのを見てしまう。しかも近所のおばあちゃんが行方不明 になり…。(「土を掘る女性」)櫻子さんと正太郎が挑む最初の事件。そしてその記憶が、正太郎に大切なことを思い出させる。大人気ミステリ! 』

 

連作短編5本。

『プロローグ』……中学三年の夏。風が吹く中、正太郎ははじめて櫻子に出会った。ただすれ違っただけの2人がこの先幾つもの事件に遭遇するとは知らずに……。

 

正太郎風に言えば

「その日、僕は運命に出会った」(帯より)

 

第壱骨『土を掘る女性(ひと)』………前作『冬の記憶と時の地図』で事件に巻き込まれた正太郎の入院生活。櫻子に会えなくなり、『Phantom』と名乗るSNSで知り合った人とのメール交換だけが心の支えになっていた。正太郎『Phantom』を櫻子だと思っていた。退院し、櫻子の叔父に一人で会いに行き、惣太郎の真実を知り、九条家の人たちに取って自分が彼の代わりに過ぎないと思い知る。そんな中、正太郎は櫻子とはじめて一緒に解決した事件に想いを馳せていた。祖父の隣のアパートに住んでいた谷内さん(現在は認知症のため施設に入所)が何度も行方不明になる中で、櫻子の協力を得て、事件を解決し関係を築いていく。最初は庭先で骨を煮ている櫻子をみて、警察に通報してた正太郎なのに、今では惣太郎の代わりではイヤだ、と思うくらいに櫻子が特別な存在になっていた。そして、そんな正太郎の元に届いた櫻子あての手紙。その送り主とは?

 

例え、認知症になっても、忘れられない、忘れてはいけないことがある……ってことですね。

 

『インターミッション』……母親に櫻子との付き合いを反対されていた正太郎だったが、やはり傍にいたくて、手紙を口実に再び九条家を訪れるようになる。その手紙がシリアルキラーの花房だったことから、櫻子も再び正太郎を自分の傍に置く決意をする。

 

第弐骨『亡霊メール』……花房の存在に怯えながらも、正太郎は学校で鴻上からある頼まれごとをする。それはある都市伝説のルーツを探ることだった。そんな中、磯崎先生に櫻子と関わることを咎められたり、櫻子に弟に接するような態度を取られ、ちょっと苛々する正太郎。また都市伝説の舞台の場所で実際に若い女性が自殺していることを知り、都市伝説との繋がりを探り始める。いつも冷静な櫻子が花房に操られ、人を殺そうとする。その時、はじめて正太郎は『Phantom』の正体に気付く。

 

『エピローグ』……入院中に『Phantom』と交わしたメールの数々を眺めながら、恐怖を感じる正太郎。

「闇はね、正しい心からも生まれるんだよ」

の一文が妙に心に残る。

 

花房との直接対決はまだまだ先になりそう。時々、花房の存在を忘れるが、少しずつ距離を縮めて来ていることが分かる。

それとこの本の醍醐味は北海道(特に旭川)のガイドブック的な役割を果たしていることだと思います。

さ〜て、続きもどんどん読んでいくぞOK

 

 

(2018年04月 読了)