夕方になって、近所を散歩していると、いろんな人達とすれ違う。
よく見かけるおばあさん、何度も顔を合わせているうちに、こんにちは、だけなくもう一言くらい何かおしゃべりするような関係になってきた。
大抵の人は、散歩中でも会ったら、こんにちは!と、言う。
この辺ではそれが習慣のようだ。
観光地などで、或いは、山登りしていて、すれ違うときに
こんにちは、と挨拶する。そういう感じだ。
もっと歩いていたら、あちらの方から、大きな犬を連れているカップルが来るのが見えた。
結構大きな犬だなあと見ていたら、
その旦那さんの方が犬を押さえて立ち止まったので、奥さんの方も立ち止まった。
その横を私は通っていったのだが
犬が大人しくするように、私のために、押さえていてくれたのかと思うと、気持ちが伝わり、なんか配慮に嬉しかった。
そして、こんにちは~と言ったのだが、
奥さんの方が、
「こんにちは、ございます」って言ったんだよねー。
そうそう、このカップルは日本人じゃない風の人達だった。
こんにちはございます、って、そうか、つまり、丁寧な言葉にしたんだ~。なんだかその気持ちが伝わりましたよ。
そういうことね~。
こんにちはでございます、という具合に、間に「で」を入れると
何かの漫才になる。漫談というのでしょうか。
日本語は、ちょっとした一文字で、ちょっと違った楽しみを味わえる。
さて。
同じ日ではないけど、別の日の話。
その先歩いていくと、今度は、畑やヤギの小屋などがある。
そこに、おじいさんがいるのが見えた。
暫く行くと、おじいさんが手にまるで花束のように持っているのが見えた。
レタスを持っていた。
そこまでたどり着いたら、そのレタスを私にくれたのである。
食べる? って言われて
はい。ありがとうございます、と言ってそのままもらってきた。
この辺を練り歩くと、色々と何かもらえるぞ。と心の中でちらっと思ってる。
こちらからは何か持っていってあげるものもないんだけどね。
でももらえるから嬉しいからまた行くのだ。
みんな大抵はおしゃべり好きだから、そのうちおしゃべりすることになる。
自分だけにくれるのかな、と思ったときもあるけど
他の人たちとも仲良くしてるみたいだから
特に特別にというわけでもないんだろう。
レタスの葉っぱブーケをもったオジサンが、まるで、花束を持って現れた、リチャードギアみたいに見えたゾ! そうそう。あの映画よ、あの映画。
洗ったら、中から3匹ちいさいカタツムリが出てきた。