弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
百聞は一見にしかず、という有名なことわざがあります。
いくら博識を重ねても実際に経験したことには及ばないという意味なのは、誰もがご存じのことです。
それをもじって、タイトルの「百見は一聞にしかず」という言葉を使っています。
弁護士が経験することです。
刑事事件では、目撃者や被害者などの供述調書というのが証拠として提出されます。
弁護士・弁護人がこの供述調書に同意しなければ証拠となることはなく、一般的には目撃者や被害者などが証人として出廷して証言します。
よって、弁護士は、自白事件・争う事件のいずれであっても、供述調書に同意するかどうか検討することが大事な仕事になります。
自分の経験では、警察官や検察官が作成した供述調書は被告人のことを極悪人のようにひどいことが書いてあります。
こうした供述調書を不同意にして、いざ目撃者・被害者が出てきて証言した場合。
さあ酷いことを証言するかと思いきや、供述調書より酷いことを証言することはまずありえず、むしろ弁護人が拍子抜けするくらいソフトな証言をすることの方が多い。
供述調書が、警察官・検察官の作文と言われるゆえんです。
そこで、供述調書を100回見る(読む)より、1回証言を聞くことのほうがよい、というのが、「百見は一聞にしかず」ということになります。