弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
4月1日は人事異動の時期です。
弁護士には人事異動はありませんが、裁判官は転勤など異動があります。
年度末の3月31日、裁判所に立ち寄ったところ、転勤になる裁判官とちょうど顔を合わせました。
あいさつの後、裁判官から「先生の事件は、全部和解で終わりましたね」と言われました。私は、よく覚えていると感心しました。
たしかに全部和解で終わりました。しかもほぼ勝訴的な和解でした。
私 「裁判官のおかげで和解がまとまりました」
裁判官「和解の後は、もうゴタゴタしていませんか」
私 「おかげさまで」
などと会話を交わしました。
労働事件でも、裁判官は和解を勧めることが多い。
和解を勧める理由は、もちろん事件ごとに違うけれども、労働事件は、和解を勧めたがるそれなりの理由があります。
なんと言っても、早期解決です。
証人尋問をやって判決を出すとなると、かなり裁判は長くなります。
ある程度の見通しが立った段階で和解できれば早期解決します。
特に、解雇事件などで生活が困る労働者としては、早期解決により金銭を獲得することは重要です。
その次の理由としては、紛争を終わらせ、頭を切り替えることもあると考えます。
証人尋問をやって判決を出すとなると、どちらかが勝って、どちらかが負ける、ということになります。
職場は継続して顔を合わせなければいけないので、徹底的に闘うと後に残るのは怨恨、ということにもなりかねず、裁判後の職場関係が悪くなります。
労働者が退職して別のところで働く場合でも、昔のことを振り返っていると前に進めません。
先ほどの裁判官の言葉ではありませんが「もうゴタゴタしていません」状態を作り、頭を切り替えて将来を考えることが、労働事件では必要になることもあります。
裁判官との何気ない会話の中にも、和解の妙というものを感じました。
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