来年度は更新しないという雇用契約書 | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。

有期雇用契約更新を長年繰り返すと、継続雇用の合理的な期待が発生し、労働契約法
9条により、契約更新請求ができます。
会社は、簡単に契約を打ち切ることができなくなります。

そこで、契約打ち切りの手段として、雇用契約書に、次は更新しないという「不更新条項」をいれてくる会社があります。

会社は「雇用契約書にサインしたから次回更新しないのは当然だ」といってきます。
 
しかし、裁判所も、労働法学者も、現在、そのような考え方はとっていません。
例えば水町勇一郎東京大学教授は、「労働契約関係上の信義則に基づき労働者の信頼を保護すべきか否かという関係的な規範的判断の問題であると考えられるため、更新に関する契約の形式・文言ではなく、継続的な関係のなかでの信義と誠実という観点から実態に照らして判断されるべきものといえる(「無期転換と均等・均衡処遇 2018年問題?」ジュリスト1465-58)と述べられています。
 
つまり、不更新条項があっても当然に雇止めが有効になるわけではありません。
 
不更新条項つきの雇用契約書にサインをした労働者の真意を追究し、不更新条項や更新上限規定が労働者の自由な意思に基づいて合意されたものかどうかを検討し、また、不更新条項等の内容・導入目的・導入経過などを考慮して更新を認めるかどうか判断しています。
 
サインしたからといって諦める必要はありません。
 
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