経営法曹の意見書に反論しましたか? | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
今の地震は怖かったですね。被害はどうだったのか、心配です
 
民法改正にあわせて、賃金や有給休暇の時効期間(現在は2年)を延長しようという動きに対して、会社側の弁護士(経営法曹)が反論していることは前回伝えました。
 
さて、それぞれ、頭の体操として、反論してみましょう。
 
1 「時効を見直し改正後の民法の時効に合わせるべきとの議論が見られるが、これは、労基法が刑罰(取締)法規であることを理解しない短絡的謬論である」
>>反論
最近、刑罰の時効も延長されています。
刑罰法規だから延長してはいけないという理由にはならない

2 「労基法の時効は同法施行以来70年余を経過して、それを前提とした実務が社会的に定着し、特に不都合との声は聞かれない」
>>反論
労働者は、残業代の請求が2年間しかできなくて、不都合という声が圧倒的である

3 「民法改正で短期消滅時効が廃止されたのは、職業別の短期消滅時効を定めることの理論的、実務的な問題点を解消するためである」
>>反論
職業別の時効は分かりづらかったので5年に統一することになった。
だから、賃金、有休も統一した方が分かりやすい

4 「労基法の賃金請求権の時効(2年)が延長されると、それに合わせて賃金台帳等の記録の保存期間の延長ということが想定されるが、それは我が国の企業の大多数を占める中小零細企業にとって特に大きな負担となり、正に死活問題となる」
>>反論
いまや、エクセルやインターネットで賃金管理・時間管理が容易にできる
そのことは裁判所も認めている

5 「年次有給休暇を繰越せる期間を延長することは、年休取得の促進に逆行し、年休消化率のさらなる低下を招くこととなる」
>>反論
すぐに有給休暇が時効で消滅してしまうので、消化率を低くしている
発想が間違っている

6 「労基法による付加金制度や賃確法による遅延損害金をそのままにして、労基法の賃金請求権の時効のみを取上げて変更する理由はない」
>>反論
付加金や遅延損害金は、違反者に対する懲罰目的です
つねに付加金がかされるわけではありません

さて、みなさん、どうですか?
時効の延長は重要な問題です。
だからこそ、会社側も必死になって意見を述べています。