労災・刑事弁護事件の難しさ | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

弁護士の労働問題解決講座 /神戸

労働問題で活躍する弁護士が,
解雇・残業代・労災などを解決し
あなたの権利を,100%追求する
ノウハウをblogで紹介します。

弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。

2年前の2016年4月、神戸市の新名神高速道路の建設現場で橋げたが落下して作業員10人が死傷した事故がありました。
 
この事件について、今年2018年2月22日、神戸西労働基準監督署が、安全管理の不備を理由に労働安全衛生法違反の疑いで、会社と現場所長を神戸地検に書類送検しました。
 
作業員が死傷しているので、労災事故です。
 
重大な労災事故があった場合、警察だけでなく、労働基準監督署が会社などを書類送検することがあります。
 
あまりメディアに登場しないので、知る人ぞ知る、ですが、労働基準監督署は捜査機関も兼ねています。
 
労働基準監督署と警察が共同捜査(同時捜査)することもあります。
 
ところが、労災の刑事事件に苦手意識を持つ弁護士は多い。
特種刑事事件なので経験したことがない弁護士も多い。
労災の刑事事件は、労働安全衛生法と刑法(業務上過失致死傷罪)が交錯するので、経験を積まないと、通常の弁護士では難しい。
 
とくに、労働安全衛生法は難しい法律です。その下に規則もたくさんあります。
電通の裁判のように労働基準法違反より、よっぽど難しい。
故意や過失はとくに検察官も立証に悩むことが多い。
裁判官もなかなか遭遇しない事件です。
専門的な話になりますが、併合罪か観念的競合か、など罪数をめぐっても難しい問題があります。
さらに、法律(労働安全衛生法の刑事関係)の解説書も本当に少ない。

私は、日ごろから労働事件も刑事事件もたくさんやっています。
労災がらみの刑事事件も経験しています。
実際、さきほど書いた罪数も争点となった事件がありました。
そのため、この手の事件には苦手意識はありません。
 
ただし、労災事故の刑事手続は、捜査も遅く、裁判も時間がかかります。
証拠の分量もたくさんになります。
なにしろ、警察、検察、労基署が連携しつつも独自に捜査してますから。
 
だから、弁護士にとっては大変な事件です。
 
依頼者からすれば、ぜひ専門の弁護士に相談すべき事案なのです。
 
>ご質問・ご相談のメールも受けつけています。