インフルエンザ | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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(インフルエンザ、Wikipediaから)
 
弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
インフルエンザが大流行です。
まわりはバタバタ倒れています。
一方で、インフルエンザなのに裁判所に出てくる弁護士もいて悩ましいところです。
 
さて、インフルエンザにかかった労働者の休職はどうなるのか質問されました。
 
順番に答えます。
 
1 季節型インフルエンザは、法律上は就業禁止にできない
  ただし、就業規則によって就業禁止にできる
 
労働安全衛生法第68条(病者の就業禁止)は、「事業者は、伝染病の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかった労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。」と定めています。
就業禁止にできる病気は規則によって決まっており、結核、梅毒、淋疾、トラコーマ、流行性角膜炎等の伝染性疾患であり、かつ、産業医の意見等、他の措置も勘案したうえで、やむを得ない場合に限り就業禁止にできるとされています。
 
したがって、季節型インフルエンザの場合、労働者が仕事に出ていきたいと言った場合は、会社は法律上は拒否できません。
 
ただし、会社の就業規則で、就業禁止を命じることができるとされていれば、出社を止められます。
 
 
2 インフルエンザにかかった労働者が自発的に休職した場合は原則無給
 
ノーワークノーペイ原則どおり、賃金は発生しません。
ただし、有給休暇の取得や、就業規則上病気休暇が有給だった場合は、そちらを利用することもできます。
一般的には、この場合がほとんどです。
 

3 インフルエンザにかかった労働者が出社しようとする場合
 
どうしても働きたいと言っている労働者がたまにいます。
それに対して出社するなと命じた場合(就業規則に基づいて)は、一番やっかいです。
レアなケースのようで、けっこうトラブルもあります。
 
(1)会社都合による休職命令を出した場合、賃金は支払う必要がある
 
(2)休職命令に従わない労働者に対して懲戒処分をすることは可能
 
あまり、これくらい深刻な事態にはなってほしくないものですが、一応の知識として。

(注)感染症の考え方は、厚労省の基準によって変化することがあります。
 労働安全衛生法やその規則、通達などを熟読する必要があります。
 
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