ハンセン病療養施設で考えたこと | 弁護士の労働問題解決講座 /神戸

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弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
 
岡山県にあるハンセン病療養施設・長島愛生園にいってきました。
 
ハンセン病はおそろしい病気だと言われ、「らい予防法」によって患者の強制隔離が何十年も実施されてきました。そのため、いまでもハンセン病に対する偏見は残っています。
 
医療という名のもとに行われてきた強制隔離政策は、重大な人権侵害です。
2001年、強制隔離政策が憲法違反であるという裁判所の判決が確定しています。
 
そういった受難の歴史を再度勉強するため、また子どもにも知ってもらいたいので、施設見学に参加したのです。
(注)毎月やっています! 要予約
 
 
監獄房や収容桟橋をみると、強制隔離によってどれほどつらい目に遭ってきたのか、と真剣に考えさせられました。

<崩れかけた収容桟橋>
 
しかし、違憲判決の後もハンセン病や患者・元患者にたいする偏見・差別はなくなっていません。
 
そのことを思うと、強制隔離だけが人権侵害ではなく、周りの人たちが偏見・差別をもって接することも人権侵害である、と痛感させられます。
 
強制隔離したのは日本という国でありそれは批判されるべきです。しかし、偏見・差別という人権侵害をしているのは国民(もちろん全員ではないが)だということを深く考えさせられました。
 
偏見・差別は、憎悪にもつながりかねない感情です。
それをなくしていくことも法律家の仕事です。
弁護士は、基本的人権の擁護を法律の目的に掲げられているのですから。