弁護士の萩田です。
いつもありがとうございます。
これまで、労働審判が簡易迅速な手続きであるといって、お勧めしてきました。
ところで、労働審判という制度ができる前は、解雇事件では仮処分手続を使っていました。
仮処分とは
仮処分手続は、証人尋問が行われることもなく、早い周期で裁判日程が入るため、結論が出るのも早い。
したがって、解雇事件で生活が苦しくなる場合などは、仮処分手続が最有力の選択肢でした。
ところが、労働審判はもっと早く解決する手続として使われるようになりました。仮処分のメリットがなくなってきているのです。
だから、若手弁護士の中には、労働審判をしたことはあっても仮処分をしたことがない、という人も増えています。
労働審判と仮処分を一緒に使うことのメリット
労働審判で和解解決が難しい場合は仮処分をするメリットがあります。
労働審判で、和解の可能性が低い場合は、裁判所で解雇無効の審判を出しても解決せず正式裁判に移行します。
その場合に仮処分を使うと効果的です。なぜなら、労働審判で解雇無効の審判がでていれば、仮処分手続でも早めに解雇無効の命令がでる確率が高いからです。
解雇事件だけでなく、配転事件なども同じことです。
つまり、仮処分手続は、いまでは、和解が難しそうな労働審判事件を補う制度として使うというメリットがあります。
仮処分を使うことも頭の片隅に入れておいてください。