こんにちは、弁護士の萩田です。いつもありがとうございます。
前に、就業規則は、合理的な内容で、労働者に知らせておかないといけない、と書きました。
今回はその応用です。
Q 労働条件を就業規則を改定することで引き下げて良いか?
A 原則できない
ただし、例外があります。
・労働者に周知されていること
・労働者の不利益の内容
・労働条件を変更する必要性の程度
・変更後の内容
・労働組合との交渉経過
・その他
・労働者の不利益の内容
・労働条件を変更する必要性の程度
・変更後の内容
・労働組合との交渉経過
・その他
を考慮して、不利益な労働条件変更も認められる場合もあります(労働契約法9条、10条)。これも裁判所の判例を法律にしたものです。
労働条件を変更する必要性
労働条件を変更する必要性があるかは、まず第1関門です。これがなければ、就業規則変更は無効になります。
一般的には、会社の業績が赤字になっているとか、倒産の危機にあるとか、そういう場合でないとダメです。
もう一つ、よくあったのが、合併するので労働条件を統一する必要がある、というのがありました。これは裁判所が認めたケースがありました。
裁判の経験から
以前に訴訟になった事件で、労働時間を30分延長する、というものがありました。賃上げなしです。
しかも会社の経営が絶好調のときです。
儲かっているのに「利益を増やすためだけの理由」では、労働条件の切り下げは許されません。
就業規則の変更は、多数の従業員に影響するので、集団訴訟になることもあります。実際、先ほどの例は原告が100人くらいいる大規模な事件でした。
そうそう当然ですが、勝訴しました。
まとめ
それほど、労働条件の引き下げはハードルが高いのです。
労働者は闘えば勝つ!