民法464・465条 | 司法試験で検証してみた仮説 弁護士が語る勉強法+α

司法試験で検証してみた仮説 弁護士が語る勉強法+α

受験生時代にセオリーを無視しがちだった弁護士が、自分の体験をもとに若干変わった勉強法その他を紹介します。

※改正なし
(連帯債務又は不可分債務の保証人の求償権)
第464条 連帯債務者又は不可分債務者の1人のために保証をした者は、他の債務者に対し、その負担部分のみについて求償権を有する。


(共同保証人間の求償権)
第465条 第442条から第444条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの1人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
2 第462条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の1人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。


(e-Gove法令検索より)

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/129AC0000000089_20200401_429AC0000000044/0?revIndex=4&lawId=129AC0000000089

 



・464条

「多数当事者」と呼ばれる、連帯債務者・不可分債務者のうちの一人を主債務者として保証することは可能で、かつ、主債務者でない他の債務者にも求償できます。

他の債務者に求償できる範囲は、他の債務者の負担部分に限られます。

なお、負担部分のない債務者には求償できません(大判大正15年6月3日民集5巻7号444頁※)。
・465条
保証人が数人の場合の規定です(464条と逆)。
1項は「主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約」つまり分別の利益がない場合(いわゆる保証連帯等)、2項は「互いに連帯しない」つまり分別の利益がある場合です。

(以上について我妻コンメンタールp881-3)

判決要旨(カタカナを平仮名にする等したもの)

「連帯債務者の一人のために保証をなしたる者が代位弁済をなしたる場合において他の連帯債務者が負担部分を有せざるときは之に対し求償権を有せざるものとす」


(465条で準用される条文)

465条自体は改正されませんが、準用する条文は改正があります。
民法442条(2020年4月1日施行予定)、現行441条

民法443条(2020年4月1日施行予定)

民法444条(2020年4月1日施行予定)

民法462条(2020年4月1日施行予定)


(連帯債務者間の求償権)
第442条 連帯債務者の1人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、その免責を得るために支出した財産の額(その財産の額が共同の免責を得た額を超える場合にあっては、その免責を得た額)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
2 前項の規定による求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。

(通知を怠った連帯債務者の求償の制限)
第443条 他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の1人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる。この場合において、相殺をもってその免責を得た連帯債務者に対抗したときは、その連帯債務者は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2 弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た連帯債務者が、他の連帯債務者があることを知りながらその免責を得たことを他の連帯債務者に通知することを怠ったため、他の連帯債務者が善意で弁済その他自己の財産をもって免責を得るための行為をしたときは、当該他の連帯債務者は、その免責を得るための行為を有効であったものとみなすことができる。

(償還をする資力のない者の負担部分の分担)
第444条 連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する。
2 前項に規定する場合において、求償者及び他の資力のある者がいずれも負担部分を有しない者であるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、等しい割合で分割して負担する。
3 前2項の規定にかかわらず、償還を受けることができないことについて求償者に過失があるときは、他の連帯債務者に対して分担を請求することができない。


(委託を受けない保証人の求償権)
第462条 第459条の2第1項の規定は、主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が債務の消滅行為をした場合について準用する。
2 主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
3 第459条の2第3項の規定は、前2項に規定する保証人が主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をした場合における求償権の行使について準用する。


(委託を受けた保証人が弁済期前に弁済等をした場合の求償権)
第459条の2 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、主たる債務者がその当時利益を受けた限度において求償権を有する。この場合において、主たる債務者が債務の消滅行為の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
2 前項の規定による求償は、主たる債務の弁済期以後の法定利息及びその弁済期以後に債務の消滅行為をしたとしても避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する。
3 第1項の求償権は、主たる債務の弁済期以後でなければ、これを行使することができない。