アルスシムラの染め師の方にお話をお伺いする機会を得ました。
染料はけちっちゃいけない。
試し染めは、自分も植物も、力を削いでしまうこと。
そう言われて、はっと気がつかされることが続いていました。
色がでないのです。
何を試しても、淡くて同じような黄土色を、何回見たことか。
そして、思い切って染めて、あれだけ悩んだ月桃で退紅、刈安で刈安色が出てくれました。
月桃は、甘くて、かつ濃い桃色に、見惚れました。
媒染をしたら、何色になってしまうのか。怖くて媒染できませんでした。
刈安は石灰を水で溶いて、PH9くらいにして媒染。刈安色になりました。
みょうばん媒染では、カナリアイエロー。
ちなみに、月桃は内地でなかなか生葉が入手できませんので、市販の月桃茶を使用しました。
3社ほど試して、もっとも発色が良かったのがカリス成城さんのハーブティでした。
黄色は若々しく、溌剌とした力の色。
紅は、年を重ねて始めて放たれる、匂い立つ情けと傾けられた心の色。
青は、どこまでも憧れの空を写す色。
私の三原色の根元を、見ることとなった一週間でした。
あー。これで何を織ろう?
悩ましいです。