パンダの赤ちゃんの命名募集に落選し、地団太踏みまくって二階の床が抜け、義母に怒られた皆さま、コニャニャチワ。

パンダの赤ちゃんって顔がデカイですね。身体の三分の一が顔って感じです。人間のデカい顔はダサイと言われますが、パンダの場合は逆に評価されるようです。

 

昔はパンダのことを「いろわけぐま」と呼称していたことをご存知でしょうか。

昭和12年発行の図鑑には、白熊に黒を加えたような怖い熊のイラストが描かれています。当時の日本人は、そんな冗談のような模様の動物がこの世に存在するとは思わなかったでしょう。

 

三十年前、流れ者だったワシは、まだ貧しかったころの中国で暮らしていました。中国には、一ヶ月の生活費千円で暮らしている猛者の日本人学生がいました。あのころと比べると、今の中国の物価は軽く百倍以上になっているでしょう。

 

まだインターネットが一般に普及していない時代です。ネットどころか、中国の家庭にはテレビも冷蔵庫もトイレもありません。

トイレに行く時は公衆便所を利用します。ドアも仕切りもない公衆便所です。トイレは広い空間で、床に狭い間隔で穴がいくつも空いています。ワシは人前でウンチするのにもすぐ慣れました。

ワシが小便をしていると尻に何か当たります。小便しながら振り向くと、それは人の頭です。しゃがんで読書しながらウンチしている兄ちゃんが、ワシを見上げて目が合いました。無言の挨拶です。日本では見られない光景です。

 

日本の雑誌に載っていたマルチーズの写真を中国人女子大生に見せたところ、「こんな可愛い犬がこの世にいるわけがない。これは作り物のぬいぐるみだ」と断言して、マルチーズの存在を信じてもらえなかったことがあります。マルチーズよりもパンダの存在の方が「信じられない度」は高そうに思われますけどね。

 

当時、ワシはメイドインチャイナのパンダを何頭か見たことがありますが、全身が汚れて暗灰色一色の、不潔そうなケダモノ(汚し塗装済?)でした。上野のパンダの赤ちゃんと比べると、まるで別の生物のようでした。

 

今日は前回に続き、就職を控えた学生さん向けに仕事探しのネタを書きます。一般人には知られていない、社会の裏を探りましょうシリーズです。

 

昔、ワシが輸出の仕事をしていたころの話です。

そのころは今と比べると、信じられないほどの円安水準でした。円安は輸出業者にとっては良い話で、輸入業者にとっては悪い話です。

 

為替1ドルあたり、90円(円高)の場合と、130円(円安)の場合について考えてみます。日本の輸出業者が、外国に商品を売って1ドル儲けたとします。

売上代金の1ドルを日本円に換える場合、前者の円高の時は銀行で90円くれるわけです。

これが1ドル=130円の円安の時の場合だと、130円もらえます。売上げは同じ1ドルなのに、1ドル90円の円高の時よりも、40円多くもらえるのです。

 

当時、テレビのニュースで、円安に翻弄される人たちの特集をやっていました。日本は外国から原材料を輸入してモノ作りを行っています。円安になって原材料費がここまで高騰したら、とてもビジネスを続けることなどできない、という工場経営者の話がありました。まさに、日本の産業システムの根幹が崩れそうな雰囲気でした。

輸入ワインやチーズが高くなって、このままでは従来の価格でお客さんに提供することは不可能、と嘆くレストラン経営者もいました。

 

これから日本はいったいどうなるのだろう、という絶望的なニュースを見ながら、ワシら輸出関連業者は「いいぞ、もっと円安進め!」と、その状況を喜んでいました。円安が進むだけで、我々は努力しなくても自動的に利益が増加するからです。

 

ワシの勤めていた小さな商社ですらこういう状況ですから、トヨタやホンダのような大スケールの輸出で金儲けしている企業は、凄まじい利益を上げたことと想像します。

ところが、「トヨタの従業員が予想外の特大ボーナスに大喜び」の類の、輸出業者ハッピーなニュースは流れません。

 

輸出業者は円安のもたらすタナボタ的な利益を心の中では喜んでいましたが、世の中は「日本の(輸入)産業の危機!」という悲観的なニュースで満ちています。

となると、儲かっている自分たちだけ喜んでいるわけにはいきません。空気を読まずに、自分たちだけはしゃいで、他人から恨まれたくはないのです。

 

ビジネスマンが何かの会合で集まって、皆が不景気だとか売上減少だとか嘆いている場で、「いや、うちは儲かってますよ」と、正直に言うことなどありえません

 

たいていそのような場の経営者は愚痴ばかりで、己の仕事ぶりを反省することなどありません。その場に不在の第三者が悪者にされたりします。

「××さんのところがあんな不義理なことするから、うちまでとばっちりを食らった」などと、商売の失敗の原因は自分には無いと言いたげです。

 

そういう時に儲かっているこのワシは、「ホントに何とかなりませんかねえ、この不景気」と適当に話を合わせます。

ワシも皆さま(負け組)のお仲間で、この通り苦労しています、けっして抜け駆けなどいたしておりません、という意味合いの独り言です。これが大人の嫌らしい会話です。

 

話が脱線しましたが、為替に左右されるビジネスは、その結果に関して、努力もへったくれもない状況になることがあるわけです。それはまるで降って沸いた幸運、逆の場合は、落とし穴に落ちた不幸、というギャンブル感覚なのです。

 

報道に関しては以下のような状況があります。

世の中で悪いニュースが流れた時、その陰にはそれが良い知らせになる立場の者が存在するのです。

 

損をした被害者は騒ぎ立てますが、得をした連中は沈黙しています。オイシイ思いをしている連中は、目立たないように静かにしているのです。

ゆえに一般人は、一部の人間がオイシイ思いをしていることを知らないのです。

 

最近、円高が進んだ時に、自動車メーカーは大変だと報じられていました。

その陰では過去に円安を嘆いていた人たちが、今は逆に嬉しい悲鳴を押し殺してガッポリ儲けているのでしょう。立場が逆転したのですね。

 

ある地域で大地震が発生し、住宅が大量に倒壊したとします。

それ自体は悲劇ですが、それによって復興のための住宅関連の仕事は儲かるはずです。

住宅建設のための人員が大挙して現場に入ると、彼らを宿泊させるための施設も儲かるし、宿泊施設と取引している業者も儲かります。

建設労働者は食事もするし、缶コーヒーも飲むでしょう。工具や消耗品も買わなければなりません。休日には気晴らしに、どこかに遊びに行きたいでしょう。こうして、予想外のところまで経済効果が波及するのです。

 

もしもニュースで何らかの事件が起こったら、その事件から派生するであろう出来事を想像してみてください。風が吹けば桶屋が儲かる、の類です。

 

たとえばの話ですが、トランプ大統領が北朝鮮のボスのことを「ロケットマン」と呼んだら、回りまわって関東地方のガソリンが値上がりするという状況が起こるかもしれないのです。

 

北米で異常気象が続いたとすると、トウモロコシが不作になって家畜の飼料が不足します。そうなると飼料価格は上昇しますから、日本の牛肉も値上がりし、主婦は絶望してNHKの朝ドラマを見るのを忘れ、日本の主婦の近眼が減少してメガネ業界はダメージを食らうだろう、という連想ならばシロウトでもできるでしょう。(冗談ですが)

 

新型iPhoneが発売されて大ニュースになる一方、ガラケーを作っているメーカーが新製品を出しても、話題にすらなりません。

ワシにとっては、その話題にならないということ自体がチェックすべき出来事です。

 

ある種のゲームが大流行すると、連動して儲かる畑違いの業種があるはずです。

コンビニのコーヒーが美味くなればなるほど、逆に損をする業界があるかもしれません。

ワシはそのようにヒネた視点で物事を観察しています。

 

ある職業の終局は予想外のところから襲来します。

インターネットが世に現れ、新しいビジネスが次々と生まれましたが、逆に消えた職業、傾いた業種も数多くあります。

新聞購読者数は減少しています。ネットを使えば、ニュースがより早く、タダで見れる時代だからです。

 

スマホが現れて世の中どう変わったでしょう。

デジカメが売れなくなるのは予想されましたが、電車の中で雑誌や新聞を読む人も激減しました。

人間とは読書する生物だとワシは思っていましたが、小説を読むよりも、ユーチューブで可愛い動物を見る方が楽しいようです。そりゃ、本も売れなくなりますわな。

 

新しい物が世に出ると、何かが滅びるのです。少なくとも、スマホ出現の影響で、新聞や出版、デジカメの業界が傾いたのは間違いありません。

スマホが登場した時に出版業界の人たちは、まさかスマホに仕事を奪われるとは想像もしなかったでしょう。

 

優秀な投資家、といってもシロウトに毛の生えたような街の投資家のことではなく、世界の株式や債券や為替や不動産価格に影響を与えるような、超優秀で本物の金持ちのアメリカ人やユダヤ人や華僑のことです。

そのような頭の良い人間、あるいは組織は、世の中のちょっとした動きから連想して先読みをし、信念に基づいて実際に行動しているのだろうと思われます。

 

例えば、南米のある国の左翼政権が近々崩壊しそうだから、今のうちに南アフリカの投資は引き上げて、シンガポールの倉庫を買い占めよう、と理論的に結論づける天才的な人間がいるのです。

風が吹けば桶屋が儲かるシステムを、情報と数学と経済力と人的コネクションを駆使して、科学的に分析している人間がいるのです。

 

意味もなく、ある企業の株価が上り始めたとすると、それは賢い連中の先読みによる仕込みかもしれません。市場変動の理由は庶民の我々には謎ですが、無意味ではないのです。

 

頭の良い連中が長期的に先行投資する企業は、投資先としても、就職先としても、理想の企業だと考えられます。

逆に、すでに話題になっている企業や業種に、今から飛びつくのでは遅すぎます。

 

ワシが若い時に、株式投資をしていたころの話です。当時、日本でもっとも鋭いところをいっているナウな企業の代表がシャープでした。

当時、シャープの液晶技術は世界の最先端を進んでいて、液晶に関しては、シャープ以外の企業はアメリカの企業も、ヨーロッパの企業も太刀打ちできませんでした。韓国製品など、まだ世の中に知られていない時代でした。

その後、シャープがどうなったのかは、皆さま、ご存知の通りです。

 

ワシの経験則ですが、新聞や経済雑誌でもてはやされている企業は要注意です。今で言うなら、ネット通販の分野で新しいビジネス形態が次々と生まれています。

もしも就職を考えているならば、五年後、いや、三年後にそのビジネスが存在しているだろうかということを考えなければいけません。

難しいですよ、こういうことを予測するのは。

 

派手に成功している有名企業よりも、家の近所に安定した経営を長期に渡って行っている企業があるかもしれません。優良中小企業というやつです。

ワシが学生なら、暇なときに自転車で散歩しながら、近所の企業や工場の様子を見て回りますね。休憩中の従業員に話しかけてみたり、いきなり会社訪問するのもアリでしょう。

 

独自の優れた技術を持った企業は、一般向けの宣伝なんかしませんが、その筋のプロ同士ならば、「この会社を知らない奴はモグリ」と呼ばれる中小企業が、日本の地方には数多く存在するのです。

Check it out!

 

 

 

 

本日の一句、

 

勉強を してない奴らが 高得点

(兵庫県、16歳、高校生)

 

評: ぜんぜん勉強できなかったと嘆く奴はたいていウソです