狩場マナーについて:囚人のジレンマ
最近、帰化や孫子等を買う資金を稼ぐためによく馬賊の頭領を狩って虎眼石の指輪(約9m強相当)を狙うのですが、狩場マナーがひどい方が多いです。愚痴っぽくなってしまうのは書く前から分かっていますが、少々お付き合い下さい。
まず、benderが頭領を狩るのはもっぱら深夜です(というよりもイン自体が大体深夜です)。なので、いかに奇独亀崙山二階が人気な狩場であるとは言え、ゴールデンタイムに比べればかなりすいているものと思われます。しかし、ここ一、二週間の経験上、競合者の存在によって効率を落とすことなく狩りが出来るのはせいぜい3時から5時位までで、それ以前は深夜組、それ以降は早朝組の指輪ハンター達がそれなりに集まります。また、3時から5時の間も、大体一人か二人は廃狩りをしている方がいます^^;。
さて、3時から5時以外の深夜間、頭領の周りには常時(戦闘に入っていない人だけで、です)数人の商人様が虎視眈々と指輪を狙って待機しています。しかし、頭領は一度に3人しか現れないため、全員が同時に戦いを始めようとするとリンク出来なくなります。そのため、全員がマナーを守るのであれば、誰か一人が戦闘に突入するまでは他の商人は壁際で静止し、その後一人ずつ順番に頭領にアタックするはずです。この順番は、自分が前の戦闘から出た時にすでに壁際で待っていた方が全て戦闘に入ったら自分が行く、という基準で判断すれば、タイムラグ等で多少ずれることはあれども、全員が毎回頭領をリンク狩り出来るはずです。
しかし、頭領狩りの現状では、このような理想は全く当てはまりません。いくつかの例として:
1.頭領周辺での壁際放置
頭領の出現エリアは非常に限定されています。そのため、たとえ壁際でも、人が立っているだけでリンク率に影響が出ます。放置するのなら数秒時間を掛けて少し離れた所へ移動すればいいと思うのですが・・・さらに、ここ数日は頭領周辺で露店を出している方も見かけました。あくまで商人としての視点から見れば、他人がリンクしづらくなる→指輪を取りづらくなる→供給が減る→自分が頭領を狩って拾った指輪の価値が上がる、という理論は成立します。しかし、もし壁際で放置している方々がそう考えていらっしゃるのだとすれば、そこまでしなくても、と思ってしまいます。
2.戦闘終了後の中央放置
これはそのままですね。他のリンク狩りを狙う狩場などでも、回復を端に寄らずに中央で行うのはあまり褒められた行為ではないと思うのですが、頭領狩りでこれをやられると極端にリンク率が悪くなります。さらに、頭領なら一度法力を満タンまで回復しておけばその後何回かは回復なしで連戦できるため、戦闘終了後中央からそのまま頭領をクリック、という方もいます・・・順番を待って、今まさに頭領を攻撃しよう、としていた人には本当に迷惑です。
3.他人がリンクしている途中で頭領を攻撃
これが一番唖然としました。タイムラグで数秒ずれることはあるにせよ、毎回のようにこちらのカウントが終わる直前に3匹目の頭領をクリックされると、そのせいだとは思えなくなります。また、2.の順番を待たずに連戦する方でも、こちら周辺に集まっている頭領に平然とアタックされることもしばしば・・・
などです。虎眼石の指輪はそれなりの値がしますし、早く狩りたい、と思うのは当然です。しかし、頭領を狩れるからにはそれなりの巨商暦があるはずなのに、何故ここまでマナーが守られなくなるのでしょうか?
マナーを守る、守らないというのは、一種の囚人のジレンマだと言えます。
ゲーム理論の有名な話なのであまり詳しくは書きませんが、仮に重い罪に問われている二人の共犯者がいるとします。彼らには自白か否認かという二つの選択手がありますが、お互いに相手がどう行動するかを知ることは出来ません。二人とも自白すれば、重罪が立証されてそれぞれ5年の懲役が確定します。二人とも否認すれば、重罪で有罪になることはありませんが、警察が十分な証拠を握っている余罪でそれぞれ3年の懲役に科せられます。しかし、相手が否認している時に自分が自白すれば、相手は首謀者として10年の刑に科せられる一方、自分は反省していることが評価されて1年の刑期ですみます。
この場合、二人の囚人はそれぞれ自分の刑期を最も短くしようとする結果、論理的に自白することになります。しかし、そうすると二人とも5年の懲役に科せられることになり、共に否認した場合よりも悪い結果に陥る、という「ジレンマ」が生じているのです。
これをマナーの問題に応用すると、全員がマナーを守れば、皆がリンクで効率良く狩れるため、共に否認した囚人のように最もいい結果になります。しかし、個々の商人からすれば、一々戦闘後に端に寄って待つのは面倒であり、他の商人が端で待機しているのであれば、すぐに次の戦闘を始めた方が多く頭領を狩れます。そして、全員、あるいは多くの商人がそう考える結果、マナーは無視され、指輪ハンター達は共に自白した囚人達と同じ境遇に陥るのです。
このように考えると、マナーの低下は論理的に回避不能な問題のように思えます。しかし、囚人のジレンマと狩場マナーは、前者が一度きりの「ゲーム」であるのに対し、後者は商人達はそれぞれ数十、あるいは数百回頭領と戦うため、幾度となく繰り返される「ゲーム」である、という点で大きく異なります。
仮に二人の囚人が何度も罪を重ね、何度も同じ状況に置かれる運命にあるとします。すると、囚人達は「今自白して相手を裏切ったら、次はあいつも自白しちまうぞ」と考え、幾度か試行錯誤を繰り返した末に、共に否認する、という最良の結果を得られるようになります。狩場マナーもこれと同じで、少数の人間がマナー違反を続けると、必然的に他の商人も自分の利益を確保するためにマナー違反をせざるを得なくなります(マナー違反を続ける人間が先に戦闘に入り、さあ狩ろう、と思った途端に他のマナー違反者が戦闘から出て来て即頭領を攻撃、という事態が続けば、マナーを守る人間は一生狩りが出来ません)。しかし、マナー違反者が囚人達のように論理的に考えれば、自分がマナーを破れば他人も同じように行動し、結局は自分の利益が減る、というのは分かることなのです。
もちろん、これは理想論であり、現実にマナー違反が全くなくなるとは思いません。しかし、競合者の減少によってつかの間の平穏が訪れていた午前3時~5時以降にやって来て、周囲がマナーを守っているにもかかわらず中央放置狩りを始めるのは、人間の本性でもモラルの違いでも何でもありません。ただ単に何度も「ゲーム」を繰り返した時の囚人達のような論理的な思考が欠けているだけです。他人の思考能力の欠如によって指輪ハンター達全員が損害を被っている、という現状には、怒りと同時に悲しみさえ感じます。
以上、長文失礼しました。狩場マナーを守らない行動は「価値観の違い」として簡単に処理されるべきものではなく、論理的な観点から見ても間違った、あるいは愚かな、あるいはバカな行為であることが伝われば幸いです。