恋人に裏切られ、OLを辞めたヒロインの貴子が失意から立ち直っていくさまを描いたヒューマン物語です。
貴子は、叔父が神田神保町で営む小さな古書店の店番をするという条件で一人暮らしをさせて貰うことになる。
日本文学には興味を持たない貴子だったが、ふと手にした文学書を読んで心を打たれ、人生をやり直していく勇気を得るのだった。
そこから貴子と、森崎書店に拘わる人々との心温まる交流が始まる。
貴子はどこにでもいるごく普通の女の子。
だが、彼女は天使なのだった。
自分でも気づかない、現代の天使だったのだ、というのが僕の感想。
何故か、貴子に接する人達は幸せを得たり、幸せを取り戻していくのだ。
貴子がお節介なのではなく、貴子が持つ天性にある何かから、勇気やパワーが貰えるのだ。
そして、貴子自身も幸せを得る。ストーリーは正にハッピーエンド。
強いて不満を言えば、エンディングがあっけないこと。
結末を急ぎすぎたことにより、読後感に物足りなさを感じてしまったこと。
貴子は幸せを掴んだ、いや、掴む筈だという終わり方で、それがどんな幸せなのかをもう少し読みたい、と思った。
神田新保町は私も大好きな街だ。
本書に出て来るcafeのモデルなったと思われる店があるが、ここでは素晴らしいジャズを凄いオーティオセットで聴かせてくれる。
それにこの街のレストランは全て庶民的で寛いでランチが食べられる。
この街の古書店はみんな独特の歴史があるのだろう。それを感じならがらの古本あさりは僕の喜びになっている。
そんなことをちらちら思いながら本書を読んでいた。