一部では知られているけれど、知らない人は全く知らない。

泡のようにポッと現れて、いつの間にか消えていったアイドルたちのお話です。

80年代に「スターボー」と言う三人組女性アイドルグループがいました。

82年にデビューして、3枚のシングル盤と1枚のアルバムを残し、84年には解散しています。

82年と言えば「花の82年組」と言われるぐらい、アイドルの当たり年でした。

中森明菜、松本伊代、小泉今日子、早見優、石川秀美、堀ちえみ、と言った錚々たるメンバーがデビューしています。

そんな人たちの陰で、あまりスポットライトを浴びることなく消えていったのが「スターボー」と言うグループでした。

スターボーで特筆すべきは、デビュー曲の「ハートブレイク太陽族」(凄いタイトルですが・・・)で松本隆、細野晴臣という、「はっぴいえんど」コンビが作詞作曲を担当していたと言う点でしょうか。

当時、細野氏がYMOのメンバーだったためか、スターボーもデビュー曲はテクノ歌謡路線でした。

コンセプトも宇宙から来た三銃士(!)という設定で、ボーイッシュなテクノカットに宇宙っぽいイメージのレオタード姿と言う、今から考えると、最初からかなりキワモノっぽい路線でのスタートでした。

メンバーの名前もナガト、イマト、ヤエトと、カタカナ表記で最後に必ず「ト」を付けて中性っぽくするという念の入れようでした。

まあ、こんな感じです。

スターボー 「ハートブレイク太陽族」



最初から思いっきりB級感全開ですが、案の定、この曲はレコード売り上げ7千枚、オリコンチャート最高で98位という、散々な結果に終わりました。

で、第二弾シングルはがらりと路線を変えて、キャンディーズばりの正統派女の子アイドルスタイルに
変身。

メンバーの名前も、ナミ、ナギ、メグに変わり、タイトルも「たんぽぽ畑でつかまえて」と、いかにもアイドルっぽいものになりました。

作家陣も作詞:麻生香太郎、作曲/編曲:馬飼野康二とベタな歌謡曲路線の人達に代わっています。

スターボー 「たんぽぽ畑でつかまえて」



「変わり過ぎだろ!」と、思わず突っ込みも入れたくなりますが、この曲もパッとせず、シングルをもう一枚とアルバム「STARBOW 1」を残して消えていきました。

ところが世の中解らんもので、B級アイドルマニアの間では根強い人気があるらしく、彼女たちの唯一のアルバム「STARBOW 1」は2006年に紙ジャケ仕様で再発され、今でも店頭で売られています。

細野テクノ歌謡路線が再評価されたと言うことでしょうか。



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