新しい算数研究 4月号
本誌のテーマは
『算数の本質を追求する個別最適な学びと協働的な学び』
ここ1年でよく聞くようになったキーワードです。学校の研修でも話題になりますが、まだあまりピンときていません。私。「新しい算数研究」では、今年度は「個別最適な学びと協働的な学び」を何号にもわたって取り上げているので、この機に全部読んで勉強しちゃいます!たのしみ!!!
まずは本を読みつつ、振り返りを・・・
個別最適な学び
「新型コロナウイルスによる休業により、子ども一人一人が自立した学習者として学び続けていけるようになっているか、という点が改めて焦点化されたところであり、これからの学校教育においては、子どもがICTも活用しながら自ら学習を調整しながら学んでいくことができるよう、『個に応じた指導』を充実することが必要である。」とした上で「『指導の個別化』と『学習の個性化』を教師視点から整理した概念が『個に応じた指導』である。この『個に応じた指導』を学習者(子ども)視点から整理した概念が『個別最適な学び』である。
→学びの主語は子ども。
その子にとって最適な学びは何か。
協働的な学び
「『協働的な学び』においては、集団の中で個が埋没してしまうことがないよう、『主体的・対話的で深い学び』の実現に向けた授業改善につなげ、子供一人一人のよい点や可能性を生かすことで、異なる考えが組み合わさり、よりよい学びを生み出していくようにすることが大切である。」
2021年1月26日の中央教育審議会は、「目指すべき『令和の日本型教育』の姿を『全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現』とする」と結論付けた。
・・・なるほど、上智大学の奈須先生の論説を引用させていただきました。
奈須先生は「子どもを自立した学習者に育て上げる」ために、過去の衝撃的な実践を紹介していました
奈良女子高等師範学校付属小学校
独自学習→相互学習→独自学習
の流れを理想とした。
丸一時間、場合によっては数時間をかけて一人でじっくりと課題や教材と向き合い、納得がいくまで考え抜いたり調べたりする学習になることも多い。深く真剣な独自学習により、自分としては一定の結論を得て、もうこれ以上は考えられないという地点までたどり着いた時、子どもは同じく懸命に独自学習に取り組んでいる他者の考えを聞きたくなる。この段階で相互学習を設定すれば、仲間の考えに真剣に耳を傾け、自身の学びとのすり合わせの中で生じた感想や疑問を率直に語り合う、すぐれて互恵性の高い学びが生じるに違いない。
お、恐ろしい。。。
確かにものすごく興味があるし、子どもの成長を見込める指導ですが、これまでの公立学校教育をひっくり返すように感じました。でも、ちょっとやってみたい!笑
算数科における協働的な学び
続いて登場したのが笠井健一先生の論説。しびれますね!笠井先生は算数科でどのように協働的な学びが考えられてきたのかを、振り返って下さいました。
平成11年ごろ
「問題提示-見通し-自力解決-集団解決-まとめ・振り返り」
×自分で解けない子への手立て。
×算数が得意な子しか説明できない。
平成20年ごろ
「問題提示-見通し-自力解決-ペアやグループでの話し合い-集団解決-まとめ・振り返り」
×ペアでも考えたことをすぐ説明は難しかった。
×友達の説明を理解できない。
近年
「問題提示-見通し-自力解決-教師の司会の下での学び合い-適用問題・まとめ・振り返り」
〇発表された考えがクラスの子供たちに理解されているかどうか教師が的確に把握し、理解されていないと感じた場合も先生が説明するのではなく、司会をし、子供の説明によって、その考えをクラスの全員にしっかり理解させる。
〇発表する子供は、どのように説明することが分かりやすいのかを学ぶことになる。
・・・なるほど。
私が大学で教わって、現場で行っていた授業法は、様々な実践と失敗があって、生み出されてきたものなのか。でも、「個別最適な学びと協働的な学び」が入って、またこの流れも変わってきそう。個人的には今の授業法、教師も児童もわいわいたのしく学べて好きなんだけどな 笑
5~7月号も同じ特集らしいので、たのしみです!