今日は、アイドルネタではなく、新しいジャンルの話題について書いてみましょう。
あっ!蜂が嫌いな人は、すぐ退出してくださいね。
ボクは、今でこそアイドルの追っかけをしていますが、今から30年前は、
蜂の追っかけをしておりました。
「???」って、思われる人がおられるかもしれません。
そして、何で刺されると痛い、蜂をわざに追っかけるの?
と、首をかしげる人もおられるでしょう。
ボクが、たまたま大学の図書館で読んだ本が、日本の蜂の研究の大家である岩田久仁雄先生の
本であり、その本に影響されたのが大きな理由です。
その本こそ、『昆虫学五十年 あるナチュラリストの回想』(中公新書1976年)です。
ボクは、その本を食い入るように読みました。
また、岩田久仁雄先生の書いた本を貪るように読み漁りました。
そして、その本に書いてある蜂の生態を自分の目で確かめようと思ったのです。
今日、ここで話題とするのが、「エントツドロバチ」という蜂です。
以前は、オオカバフスジドロバチとも呼ばれていました。
学名をOrancistrocerus drewseni drewseni (Saussure, 1857)と言います。
その名のとおり、巣の入口に煙突状の造作物を作ります。
それじゃあ、実際に、その画像をみてみましょう。
このエントツが蜂の出入り口になります。
←上の竹筒には成虫が、そして、下の竹筒にはエントツが…
この竹筒の中に仕切り板を泥で作り、その育房には狩ってきた蛾の幼虫を蓄えます。
そして、一つの育房に卵を一つ産むんです。
ふ化した幼虫は、母蜂が蓄えた蛾の幼虫を食べて育ちます。
この蜂のおもしろいことは、日本ではオスが採集されたことがほとんどなく、
メスによる単為生殖個体群と考えられていることです。
普通の蜂は、オスとメスがいます。
それなのに、エントツドロバチは、メスだけで子孫を作れるんです。
ここで、みなさん、知ってますかぁ?
受精すると、メス蜂が生まれ、未受精だと、オス蜂になることを…
エントツドロバチは、例外と言えますね。
蜂の世界っておもしろいでしょ?
まだまだおもしろいことがあるよ。
←竹筒にいるエントツドロバチ
竹筒をこの画像のように編んで軒下などに吊しておきます。
そうすると、エントツドロバチの他にも、いろいろな蜂が寄ってきます。
オオフタオビドロバチ、フカイドロバチ、オオハキリバチ、ネジロハキリバチ、コクロアナバチ、etc.
また、しだいに、これらの蜂に寄生する蜂やハエなども寄ってくるんです。
種類によっては、自分の子孫のために、大きなクモを狩ったり、キリギリスの仲間を狩ったりもします。
蜂の生態って、おもしろいですよ。
みなさんもアイドルの追っかけばかりじゃなく、蜂の生態をのぞいてみるのも、おもしろいかも…
新しい発見もあるかもねぇ…(笑)