並んでほんの10分程で順番が回ってきた。

「へきゅへきゅ!折角だから全部やろうよ♪」

「お前、それは欲張りだろ…」

「平気だよぉ。修学旅行で来れるのはコレが最後じゃん、ね?」

「御利益薄くなっても知らねーからな」

「うーん…。それ言われちゃうとなー…」

 へきゅの指摘で月はうろうろと迷った末、長寿を選んだようだ。

 へきゅはその隣で学問。

 空気を読んで残った方へ視線を向ける。

(いやいやいやいやそれはねーよ…)

 3人で素早く済ませ、人ごみからさっさと抜け出す。

「ユウたんはどれにしたの?」

「…どれも……」

「え?!して来なかったの?勿体ないよぉ」

「月、無理にするモンでもないだろ」

「そうだけど…」

 へきゅの言葉に小さく頷く月。彼の前だと強気に出れないようだ。

バランスが取れているのだろう。

ユウは助かったことに小さく息を吐いた。


 元の場所に戻ろうと歩いている時だ。

 ぽつん、っと鼻先が濡れた。

 それを軽く拭って天を仰ぐと雨雲がすぐ真上に…。

「雨…」

「あらぁ。やっぱり降ってきちゃったね;;」

 ユウの一言に続き、月が眉尻を下げて肩を竦めた。それに応えるようにへきゅがバサッと傘を広げて彼女に差し出した。

「ボーっと眺めてるなよ。濡れるぞ」

「へきゅ…///

(あー、なんかここだけムシムシすんな…)

 遠い目で2人の様子を一瞥する。

「ユウたんは傘ないの?無いなら私の貸してあげようか?」

 そう言って差し出された傘は、花柄だった。

「…しかもヒマワリ」

 大きなヒマワリの周りに小さなヒマワリが散らばっている。

 まだ梅雨なのにココだけ夏みたいだ。

「……いらん」

 ユウとヒマワリ傘を交互に見つめる月。

「アハハ…。やっぱり?」

 うん。と深く頷いておく。

 また3人で歩き出す。

 まだ小降りだから傘は差さなくても平気だ。

「お兄さんは傘持ってるの?」

「え…あー、そういえば…」

「ユウたん?」

 時代劇でしか見たことのないような和傘を持っていたような気も……しないでもない。

「持ってるなら良いけど…。和服じゃ風邪引きやすいかもしれないしね;;」

 それは知らないが、持っていても差してほしくは無い気がするのも否定できない。

 無駄に目立つのが目に見えているからだ。

 と、その時だ。

 悪寒を感じたが遅かった。

「ユウいたいた!ちゃんと傘持ってこないと駄目だろう?」

「……誰のせいだと思ってんだ!」

 そう怒りをぶつけるように振り向くと、和傘をこっちに半分差し出してヨウが立っていた。

「わぁ//やっぱりユウたんに似てるあ、ユウたんが似てるのかしら?」

 どっちだっていいだろう。

 そんなことより…。

「なんでまた…」

 ヒマワリなんだ?

 カラフルではないが、墨で描かれたヒマワリもやたらインパクトがでかい。

「ん?風流でいいだろう?もうすぐ夏だしね^^」

 ははは、と笑う兄をギロリと睨む。

「いいから、傘退けろよ」

「相変わらず照れ屋だなぁ。ハハwそんなユウが、――」

「みなまで言うな!」

 力任せに傘をバッと払い除ける。

「ああ、あの!傘なら私のを…!;;」

「月、喧嘩するほど仲がいい、だb」

 的外れな仲裁もおかしなフォローも…!


「いらねーってんだ!!!(`Д´)ノ」



 夏はもう、すぐそこまで来ている。




      【梅雨はもう夏である】おわり。




一言:おわたぁおわたぁヽ(´ー`)ノ

   もうどうなることかと…。

   とりあえずこのお話も無事に終わって何よりです。

   後先考えずに書いちゃうんで、自分でもドキドキしてますw

   まぁみなさんに楽しんで頂けたなら幸いですぅ♪


お知らせ:次は冊子の書き下ろし作品に入りますので、

     ブログに小説を投稿するのは少しお休みします。

     通常ブログは今まで通りUPしますv

     冊子の情報は【夢茶屋。 】へ!