とりあえず簡単にココにきた理由を説明する。

 ヨウに無理矢理連れてこられた、とだけ。

 簡潔過ぎても理解できる説明に、月は苦笑を隠せないようだ。

「でも、天気良くて良かったよね^^明日からまた崩れるみたいだから、これ以上つまらなくなることはないよ!」

 一瞬ポカン…と呆けてしまう。

 そんなにつまらなそうな態度見せていただろうか?好きで来たわけじゃないことは確かだが…。

 月の理解の仕方と真面目なもの言いに段々笑いがこみ上げてきた。

「ま、まぁ雨降ったら災難だな。余計萎えちまう」

 笑ったことに不思議そうに首を傾げるも、コクコクと頷く月。

 鬱陶しく暇な時間も、こうして少しは紛れたから良しとする。

「んで、お前は……修学旅行か?」

 セーラー服を着ている時点で把握できた。

「そそ!昨日から京都に来てるの今は自由時間だから、ユウたんも一緒にどーかな~って^^」

「……良く俺がココにいるの分かったな」

 相手の誘いは保留にしておく。

 ヨウに気付かれるのも面倒だし、人ごみを歩くのが億劫だからだ。

「ああ、上から見えたの!」

「上…」

 言われるまま天を仰ぐと、清水の舞台が重々しく構えていた。

 思った以上に迫力があり、しばらく眺めるくらいなら飽きないだろう。

 今まで参拝客やヨウばかりに気を取られていたから気付く余裕がなかった。

「あそこから景色見るのもいいけど、ここから舞台見上げるのも楽しいよね♪」

「まぁ…な」

「ユウたんはお参りしてきた?」

「!…お参り…」

 嫌なことを思い出して眉が釣り上がる。

 そのまま視線を列に向けると、大分減っている。

 ヨウに気付かれるのも時間の問題か。

「月は行ってきたのか?」

「ううん。それがまだなの^^;さっきまで人が凄かったから、少しは空いてからって思って」

「…先に何かあるのか?」

「ユウたん知らないの?上から落ちてきてるあの水はね、恋愛、学問、長寿って言って、それぞれ飲むと御利益があるの」

 ユウはふむふむと頷く。

 情報さえ掴んでおけば、行ってきたことにできる。

 セコくてもこの際なんでもいいヽ(`Д´)

「じゃあさ、ユウたんも一緒に行かない?」

「あ…いや、俺は遠慮しておく」

 そんな神頼みのようなことをする柄じゃないし、恋愛には興味なし、学問は生きていける程度ならそれでいい、長寿?そんなものは心身の鍛錬でどうとでもなる!というのがユウの考えだ。



続く。



一言:挿絵&漫画が遅れております。

   冊子完成は未定。

   今後「夢茶屋。」にてご報告しまぁすヽ(´ε`)ノ