「…チッ」

 相手の焦った様子に免じてユウは刀を収めるが、どうも引っかかるモノがあった。

――コイツ、こんなクールな奴だっただろうか――

 刀を収めたことで、ラビビは安心したのか苦笑を零した。

「まぁアレさ。ほら、子供の頃は男の子には女の子の格好をさせるって風習みたいなの、あるじゃん?」

「写真の話はもうすんなよっ!」

 ヨウがラビビに見せたという写真はやはり、ユウの幼いころの物だったのだ。

 嫌がる弟に無理矢理着せて楽しむ兄。質の悪い遊びのような物だったとユウは記憶していた。

「まぁ聞いてさ。江戸時代の頃は女より男を大事にしてたんさ」

 淡々と話し出す相手に、しぶしぶ耳を傾ける。

「働き手の問題ってのがあって、男が死ぬとダメージが大きかったらしい」

「……」

「んで、悪霊が男の子を特に狙うっていう迷信まで作られていって、そんじゃ女の子のふりをさせようってことになったんさ」

「なんでそんな迷信やら考えが浮かぶんだ?」

「まぁ人間はいろんなことに怯えて、想像や妄想を膨らませる生き物だから、何かにすがりたくなるんじゃないさ?意味がなくても思いこんじまう」

「・・・なるほど」

 ヨウはある意味妄想が豊かに思う。

 そのことにユウの眉間にしわが寄る。

「だから、ユウは大切にされて育ったんさ」

 いや、理由はそれではない気がする…。

 女装させられたのは兄の自己満足だ。絶対。

 ユウはブンブン首を振って溜息をついた。



続く。


一言:冊子では名前このまま使おうか、Dキャラ名にしようか迷ってます。

   このままでも他者に伝われば嬉しいですが・・・。