赤い髪に、右目には眼帯。言葉癖まで誰かさんと瓜二つ。

「…ラビビ?」

 間違いない、森で会ったあの変態カメラマンだ!

 ただ前と違うところは、スーツ姿ということだ。

 そして、振り返った女店員の表情がパッと明るさを増した。

 ラビビはちょくちょくココへ来ているのだろうか…?

「嫌がってる客に無理に勧めるのは逆効果さ。それに、15000cギニーは一般にはそうそう手の届くモンじゃないさ。もっと安くしてあげないと」

 店員が持っているワンピースを無造作に取り上げて品定めするラビビ。

 真面目に、いや、どこか面倒臭そうに肩を竦めて覗く片目が細められた。

「ま、似合うってところは否定しないけどさ」

 え…。

 言いながら、ラビビはワンピースを広げてあろうことかユウの体に当ててきたのだ。

「うん。ぴったりさ」

「な!?」

 前々から思ってはいたが、コイツ、まだ俺を女だと思ってやがるっ。しかも今回は落ち着いた態度を取ってはいるが、口から出る言葉はそれを裏切るどころか厚く塗り重ねてきやがる。

 開いた口が塞がらないとは正にこのことか。

「申し訳ありませんが、本日出た新作なので、お安くすることは出来ない決まりになっておりまして…^^;」

「おい、ちょっと待っ」

「それなら取り置きしてあげればいいさ?オレにはサービスでしてくれてるでしょう?」

「それはカンダ様のお知り合いということでさせて頂いてはおりますが、無関係のお客様の物までは……」

 カンダ、様?

 文句を言おうとユウは口を開きかけたが、居たたまれなさと疑問が浮かんでその口を閉じた。

 居たたまれなくなる必要は全くもって無いのだが。自分のことでもめられるのは有り難くないことである。

 それよりも…、

「俺と知り合いだと得すんのか?」

 様、などと畏まれるほどココへは足を運んでいない。確かにラビビとは顔見知りだが、ココで会うのは初めてだ。

「……お前、俺のこと変に言いふらしてんじゃねえだろうなぁ?」

 店員にワンピースを手渡しているラビビに、ユウは思い切り睨んでやる。

「じゃ、コレはオレにつけといてさ」

「今回だけですよ?^^」

「Σちょっと待てコラっ!人の話聞いてんのか!!(`Д´)ノ」

 店員に何故かワンピースを取り置きしてもらうラビビ。マイペースというか、自分勝手というか…。

 大体それは、誰が着るんだよ。

 ユウは盛大に溜息を零した。



続く。




一言:今日からまた仕事三昧です。

   また会える日まで…ノシ