ユウは下ろした腰を再び上げてショップを覗いて歩くことにした。
宝石にはまったく興味が無いためスルー。
次の洋服店は、たまに仮想めいた面白い商品を扱っているため、ちょっとした好奇心で覗いてみる。
「いらっしゃいませ^^」
ブロンドヘアーの女店員が品の良い笑顔を向ける中、ユウは店内に視線を泳がせた。
「何かお求めですか?」
「あ?…あー、いや、特には…」
トランプのぶっ刺さったアフロにルーレットデザインの帽子、フランスのブルジョア衣装なんかはユウの口元を歪ませた。
金持ちのセンスは理解し難いモノがある。
「お求めの物がなければこちらを試着してみては如何です?^^」
と、勧められた物を見て目を見開いた。
「……」
「あの、お客様?」
沈黙するユウ。それを笑顔崩さず様子を窺う店員。
ユウが目を背けたくなるそれは…、
綺麗な青い生地にハート、スペード、ダイヤ、クローバーが散りばめられたトランプ柄のワンピースだった。
「トランプの柄は人気があります。色も青で、お客様ならきっとお似合いになるかと^^」
新商品ってのはコレだったのか…。と、ユウはゲンナリ肩を落とした。
しかもワンピースを俺に着ろと…?
怒りからか恥ずかしさからなのか分からないが、顔が熱くなる。
溜息を零し、額にワンピースと同じ青い筋が浮かばないよう何とか気持ちを落ち着かせる。
「…俺には必要ねえっ」
踵を返して店を出ようとしたとき、素早い動きで女店員が前へと回り込んできた。
「見た目は濃すぎる青に思えますが、お召しになるとまた違った感じに映るかと思いますよ^^」
「めんどくせぇ」
「先ほどのお客様もこちらを選ばれまして、とてもお気に召したご様子でしたので、一度で良いので試着如何ですか?^^」
「……っ」
「如何ですか…?^^」
「このっ…#」
「はい?^^」
「いい加減にしろテメェ!!ヽ(`Д´)ノ俺はっ――」
「あんましつこいと客来なくなるさ」
!?
突然どこかで聞いたことのあるような声が、店員の後ろから聞こえてきた。
続く。
一言:やっとセリフ増えてきた。