こっちの様子に気付いたラビビが同じように辺りをきょろきょろ…。
「どしたん?誰かと待ち合わせさ?」
「あ、いや。ちょっと仕事でな」
「ふぅん、そっか」
「まさか、お前じゃねーよな…」
話の流れから違うだろうということは明白だったが、違うという確信が欲しくて聞いてみた。
「違うさー。俺だったら名前聞いたりなんかしないっしょ?ってか、その待ち人とは面識ないどころか、名前すら知らないってことさ?」
まずは違うという確信を得られてあからさまにホッとする。
「ああ。俺の仕事は用心棒だからな。相手の情報が漏れないように名前と顔は最初から伏せて依頼してくる」
「へぇ。用心棒、って…黒猫ちゃんが護衛される側じゃないっ、ん゛!?」
ググッ。
何も言わずに相手の首を絞めておく。
腕に絡みとられた変態はもがき、バシバシと腕を叩いてくる。
「誰がされる側だ、あ?っつか何度言えば覚えンだテメェは…」
カンダ、だと何度言っても直そうとしない。わざとなのか、それとも…、
(バカなのか…?)
チッ、と舌打ちを残して仕方なく解放してやると、ゼェゼェ呼吸しながらごめんなさいと頭を下げるおかしな野郎に、つい、口元が緩んでしまった。
「あ゛!い、今笑ったさ!?」
「あ!?…俺が笑うわけねぇだろっ」
隙なく突っ込まれて一瞬焦った。
否定してもラビビはジッと疑わしげに見てくる。
「て、テメェの目がおかしかっただけだろ」
「そっかなぁ。絶対笑ったと思ったのにさー」
ぼやきながら大事そうにカメラを撫でている。まるで取り損ねたものでもあるかのように…。
「ま、お前じゃねえなら用はない。帰っていいぜ」
シッシッと追い払う仕草をすると、いきなりその手を掴まれた。
多少驚きながらも相手を睨むと、今までと違う真剣な視線が返ってきた。
「な、なんだよ……」
「……」
相手の沈黙にどうしたのだろうと変な不安がよぎる。
「…おい?」
「ニャンダちゃん」
「誰がニャンダだ!!」
下げていた愛刀をラビビに向かって振りかざし、力いっぱい振り下ろす。
それを難なくヒラッと飛び退いて逃げ回る尻を、額に更に青筋数本浮かべて追いかける。
はたから見れば『喧嘩するほど仲が良い』だが、一方的な場合はなんと言うのだろうか。
続く。
(これまでのお話を読む場合は、カテゴリ【物語】をクリック!)
一言:なんだか、この2人の漫才から抜け出せなくなってきてるヽ(´ε`)ノ