「揚げなす南蛮おろし蕎麦」で大根おろしのことはすでに書いた。

https://ameblo.jp/belmont29/entry-12507049380.html

 

今回は、大根おろしにまつわる話を三つしてみようと思う。

 

父親

ワカメ

おろし金

 

ただの大変個人的な話だ。

 

 

父親は、大根おろしが好物だった。特に辛ければ辛い程好きだった。

青首など、甘い大根がいいとか悪いとか、気にもかけないたちだった。

今でこそ、甘い青首大根が当たり前になっているが、当時はそうでもなかった。

 

いつも相当な量を食べていた、と言うより、きっと母親に、沢山おろすようにお願いしていたのだろう。

天ぷらには、ゴソッとのっけて食べていた。

父親はサンマの塩焼きの焼きたても好物で、その際にも、こんもり盛っていたと思う。

 

自ずと、我々子供達もその影響を受けた。

好きになったという意味ではなく、その量や辛さにお構いのない食卓という意味である。

 

大根の辛さが平気な子供はいないだろう。

一体どうしよう、と閉口したものだ。

 

 

さて、その子供だった筆者が若者になってからはどうだっただろうか。

やはり辛い大根おろしは苦手だった。

 

そこで、何とはなしに試したのが、生ワカメを和えるという手だ。

これはうまくいった。

キュウリの酢の物にワカメを和えるあんばいだ。

 

 

今でこそ辛い大根おろしはあまり出会うこともなくなったが、当時は辛いことが多く、この工夫で、辛さに閉口することはなくなった。

大根おろしの通である父親にも試してもらったことがあって、たいそう気に入ってくれた。

 

若者を通り越して大の大人になってからは、父親と同じになってしまった。

天ぷらには、ごっそり大根おろしを使うのが当たり前だと思っていて、店で天ぷらを頼んでほんの申し訳程度大根おろしが出てくると、いつもがっかりする。

 

そこで、「大根おろしをたっぷり頂けないでしょうか」と頼むと、追加を持ってくるのだが、これまた申し訳程度の追加なのである。

つまり、普通、大根おろしをごっそり合わせて天ぷらを食べることはないのだろう。

一度など、「そんなにたくさん入れるお客さんは居ません。」(大根おろしをてんつゆに入れるという意味)とまで言われたものだ。

 

さて、時は過ぎ、毎日せっせと食事を用意していた母親も、料理は出来なくなってしまった。

母親が食事を用意していた頃に使っていたおろし金は、確かに金(かね)で出来ていた。

それが、プラスチック製となり、今では、100円ショップでも売っている。

 

残念ながら、母親の金製品のおろし金は見当たらないが、プラスチックの初期の頃のおろし金は、ある日譲ってもらった。

プラスチック製でもおろし金と言うのだろうか、見てくれは汚らしいが、今でも愛用している。

 

 

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