父親は肉が好きだった。

 

夕飯にステーキを一緒に食べることが多く、それがどこの家庭でも同じだと思っていた。

母親は、いつも、焼き加減でかなり苦労していたようだ。

きれいにミディアムにするのは、簡単ではない。

 

さて、その牛肉好きのオヤジが、豚肉のことも時々嬉しそうに話していたことがある。

それが、ポークチャップなのだ。

 

 

このメニューは、母親は作った試しがない。

どこかの洋食屋さんで食べるのだろう。

カレーやハヤシライスやオムライスを出すような、昔ながらの洋食屋さんだ。

 

筆者はかなり最近まで、ポークチャップは、父親がわざとポークチョップをアメリカなまりで発音しているのかと思っていた。

 

違うのである。

ポークチャップというれっきとした料理が別に存在するのだ。

これが、ことの外おいしい。

 

どうやら、ポークとケチャップを合わせた造語らしい。

ジャパニーズイングリッシュとも言えない造語だ。

 

使う豚肉は、肩ロースか、ロースだろう。

筆者は、ポークチャップには肩ロースが一番合うと思う。

 

一人前:

豚肉は少したたいたり、筋を切ったりしておく。

たたくのは、包丁の背中でいい。

 

 

玉ねぎ半分以下程度を薄切りにする。

あまり薄いと頼りない感じに仕上がるので、やや分厚めがおススメだ。

これを、弱火である程度炒めておく。

 

 

しんなりする程でない方がいい。

なぜなら、後で、肉と一緒にソースで蒸し煮にするからだ。

 

スープストックを、余裕をもって300cc~400cc程度用意しておく。

濃さは指定の半分ぐらい。

そこに玉ねぎを投下し、ケチャップ大さじ2杯、とんかつソース大さじ1杯以下程度を加えて混ぜ合わせておく。

 

 

ここで大事なことは、とんかつソースを決して入れすぎない事だ。

ケチャップと同量入れたが最後、ポークチャップではなくなる。

 

豚肉に塩コショウして、中火から弱火ぐらいで焼く。

 

 

両面がきれいに焼けてきたら、上述のスープストックをかけ入れて、蓋をして蒸し焼きにする。

スープストックの量は、多すぎないように調整する。

玉ねぎは、出来るだけ肉の上において焦げ付かないようにした方がよい。

 

 

この程度の分厚さの豚肉は、調理時間の目安が15分程度だ。

最初に焼く時間と蒸す時間の合計が15分ぐらいになるようにすればいい。

 

昔ながらの洋食屋さん風にするには、ご飯と一緒にお皿に盛り付ければよいのではないだろうか。

レトロな味わいが出て、おいしさが倍増する。

父親の若いころ、彼が「ポークチャップ!」と、英語の発音を気にするかのように興奮気味に言っていた顔が目に浮かんでくる。

 

 

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