リゾットは、パスタより難易度がやや高めかもしれない。
しかも、その調理方法は多様であり、使うお米の種類も色々ある。
ヴェローナではヴィアローネ・ナーノという比較的大粒の品種が好まれるが、お米の一大産地パヴィアでは、カルナローリが主流であったりする。
このカルナローリは、お米の王様と呼ばれており、確かにうまい。
この様に、地方地方で品種が違うので、競い合っている感じさえする。
お国自慢だ。
筆者の住んでいた地方でよく使うお米を入手した。
小粒なアルボリオという品種だ。
マッシュルームが余っていたので、久方ぶりにきのこのリゾットを作った。
イタリアでは、キノコといえば高級なポルチーニ茸だが、マッシュルームでも十分おいしい。
まずまず一般的な調理方法で作ることにする。
二人分:
マッシュルームをスライスするかの様に切る。
分厚く切ったほうがおいしい。
好みだが、薄く切ってしまうと、なんだか頼りない食感になってしまう。
玉ねぎをみじん切りにし、ニンニクも少々刻んでおく。
ニンニクはお好みだが、入れると味がまろやかになる。
お米は一合ぐらいが適当だが、どんな分量にせよ、上手く炊くためには、その体積の1.5倍~2.0倍ぐらいのスープストックを用意しておいた方がよい。
スープストックは、指定の濃度の半分ぐらいの濃さにする。
マッシュルームは味も香りもあまりないので、マッシュルーム本来の味や香りを楽しむためには、こういった気遣いが必要だ。
スープストックは何でもよいと思うが、チキンが普通だろう。
余談になるが、日本のお米は大変固いので、炊く時のように十分水に浸しておかないと、大変なことになってしまう。
炊飯器で炊くような調理法もあるので、日本のお米の場合には、炊き込みご飯の様にした方がいい。
難易度が高すぎる。
イタリアのリゾットには不向きだ。
鍋にオリーブ油をしいて、玉ねぎをじっくり炒める。
ニンニクを入れる場合には、この時点で入れる。
ニンニクの色が変わらないうちにマッシュルームを投入し、油が馴染むぐらいまで炒める。
ここで白ワインを少々入れることも多いのだが、最近、筆者は入れなくなった。
白ワインを入れる場合には、アルコールを飛ばす程度は炒めることだ。
そこに、お米を洗いもせずに投入。
お米も油が馴染むまで炒める。
そこにスープストックを、まず米の分量(体積)の1.3倍ぐらい入れる。
蓋をして沸騰したら、蓋をしたまま、とろ火にして13分炊く。
沸騰したかどうかは、蒸気が噴き出すので分かる。
13分の間、焦げ付かないように、2回~3回ぐらいゆるりと混ぜるといい。
調理中にお米をいじるなどという変則的な行為は、日本のお米を炊く場合には考えられないが、ここではあくまでリゾットを作っているのだ。
出来上がるまで、蓋をしないで混ぜ続ける調理法もある程だ。
さて、10分経過したあたりで、水分を全部吸っているのにお米が未だかなり固そうであれば、スープストックを足す。
ゆるい感じなら、そのまま炊き続ける。
13分経過したら火を止める。
(この13分は2人前向けで、分量が増える程に時間がかかる。)
蓋をしたまま数分待って、粉チーズ(とお好みでバター)を混ぜこむ。
このチーズは、パルメザンチーズが基本かもしれない。
が、イタリア以外でパルメザンチーズをふんだんに使うことは考えられない。
実は、チェダーチーズなど、あまり癖のないチーズなら何を入れてもおいしい。
更に数分間蒸らして出来上がり。
お皿に盛ったら、今度こそパルメザンチーズを振りかけていただく。
お好みで、黒コショウもかける。
イタリアンパセリがあれば、刻んで振りかける。
ブオン・アッペティート!
日本では、シイタケや、他のキノコの方が簡単に手に入るので、マッシュルームをそれらに置き換えて作ってもおいしい筈である。