さて、普段、一体どれだけ贅沢をしていたのかと思う。
冷凍庫にギューギュー詰めにしていた食品は放ったらかしで、どんどん新しいものを買っては冷蔵庫に詰め込み、順次、調理しては食べていた。
新型コロナウィルスは、COVID-19と呼ぶことに為った。
今や、世界中で緊急事態になったことを認めざるを得まい。
そこで(実は渋々)、何とはなしに強制力が働いて、この際、冷凍庫の整理をしようという気になっている。
これはどうだろう。残っていたソーセージを焼いた丈だが、普通に十分におかずになるので、目玉焼きを加えようという気持ちが萎えた。
かわりに、昼にサンドイッチ向けに用意した茹で卵、残りの1個を添えた。
こっちはどうだろう。通常の食事より、やや劣るにしても、鮭のムニエルとイカリングをおかずに出来れば、十分ではないか。
あまり魅力的な食事ではないが、こうやって冷凍庫の整理が出来る丁度よいチャンスだと思えばいい。
冷凍庫に隙間が出来てきた。
少し引き出しが開けやすくなっている。
COVID-19が怖いので、個人的には、一週間に一回だけ買い物に行く、という方針にしようと思っている。
問題は、買い占めで、その一週間に一回丈買い物に行っても、買いたい物がない場合があると予想されることだ。
こんなことは、半世紀以上生きてきて、かつてなかった。
人との接触を避けなければならないので、散髪に行くこともできない。
日本がヨーロッパからの入国を禁止するので、日本に行く(帰る)こともできない。
歯が痛くなっても歯医者にも行けない。これは普段から6ヶ月ごとに定期検診を受けているので大丈夫だろう。
バラバラに住んでいる子供たちに会う事も出来ない。
安易にジョギングに出かけるのもはばかられる。
クルマで気楽に出かける事も許されない様だ。
親しくさせてもらっている方々に会いに行く事もなくなった。
交流は、もっぱらパソコン上のヴァーチャルの世界になってしまった。
このないないづくし、一月ほど前の自分が読んだら、「まさか」と思ったことだろう。
感染していないだけでもありがたい話ではないだろうか。
人類の戦いは始まったばかりなのかも知れない。