英国の食事事情の話をしよう。
近年、モダン・ブリティッシュ料理などと言って、「今や英国料理は進化した、美味しくなった」、などと書きたてられていることがある。
つまり、英国の食事の評価は概して低かったわけだ。
このモダン・ブリティッシュ料理、地中海料理の真似事が多く、似て非なるものである。
フランス、イタリア、フランスの料理とは似ても似つかぬ。
どうやらアングロサクソン系を中心に、味に対する舌の感覚がまるで違うのではないかと思ったりする。
しかし、イギリスの伝統的な家庭料理は、素朴でその数に限りこそあれ、実は意外に美味しい。
又、大英帝国の影響もあって、中華料理やインド料理など、イギリス料理ではないが、外食でも美味しい料理は存在する。
特に唐辛子の辛さは、意外に好きな人が多い。
インドカレーは人気が高い。激辛のビンダルーも、いつもメニューにある。
タイ料理店もまずまず見かける。
唐辛子の辛さで人気の高い料理がもう一つある。
それがチリコンカルネ(チリコンカン)である。
なぜ日本ではあまり見かけないのかがよく分からないが、筆者には定番料理の一つになっている。
カレーライスの様に、ごはんにソースをかけて頂く。
ライスと言った方が似合っているかもしれない。
4人前
用意するもの:
オリーブオイル
牛肉500gぐらい
玉ねぎみじん切り(中の半分ぐらいの量)
ローリエの葉っぱ2~3枚
にんにく(1かけら~2かけら)★
クミンシード(小さじ一杯ぐらい)★
パプリカ(大さじ一杯以上)★
唐辛子(辛さの好みに合わせて好きなだけ)★
塩コショウ(筆者は使わない)
スープストック(1かけら、顆粒の場合は小さじ一杯程度)
砂糖(隠し味程度)★
トマト缶1缶
キドニービーンズ(金時豆)1缶
水(多分100mlぐらい、トマト缶だけでは、滑らかなソースが出来ない)
要領としては、ミートソースを作る感じである。
まず鍋にオリーブオイル、或いはサラダ油でも構わないが、油をしいて、ローリエ、にんにくのみじん切り、クミンシードを炒める。
サッと炒める程度だ。にんにくが茶色くならないうちに、ひき肉をそこに放り込んでよく炒める。
パプリカを好きなだけ入れて、更に炒め込む。
一方、玉ねぎのみじん切りは、別途、弱火以下で炒める。
炒めたひき肉の方の鍋に、玉ねぎを合わせる。
そこにトマト缶のトマトを合わせて、水を入れる。
中火と弱火ぐらいの間の火加減で煮詰める。
キドニービーンズを缶から取り出して、ざるなどに入れて水洗いしておく。
ソースが滑らかになってきたら、キドニービーンズを入れて更に10分程度煮込む。
ソースがつやつやになったら出来上がり。ライスにかけて頂く。
という訳なのだが、筆者は、キドニービーンズを入れる辺りで、チリコンカンミックスを入れることが多い。
ミックスには、★を付けたのと同じような材料が入っているので、味が更に凝縮された様な感じになるのだ。
コーンスターチも入っているため、ソースも更に滑らかになる。
この最後の工程は、その時の気分で足しても良し、足さなくても良しであろう。
大学時代、憧れの女性が、ミートソースをご飯にかけて食べると美味しいと言っていたことを、ハタと思い出した。