ということは、今まで作ったことがないのである。

 

 

今回は、筆者がどの様にしてグルメ自炊レシピを習得していくかを描いてみようと思う。

 

棒棒鶏(バンバンジー)は、父親とよく食べた。

大学時代、父親が月に一回訪ねて来た。

東京に出張するついでに寄ってくれたのだ。

 

自炊をしていた筆者にとっては、程よい所で外食できる唯一の機会だったと言っても過言ではない。

父親に会える上に、御馳走が食べられるということで、かなり楽しみにしていた。
 

普段外食と言えば、吉野家や王将、あるいは裏通りのラーメン屋あたりだっただろう。

それに学食という安い食堂があり、メンチカツ定食から冷やし中華までおいしく食べられたから、不自由しなかった。

 

しかし、中華料理も含め、本格的な料理をいただく機会はそうそうあるものではなかったのだ。

 

父親は、中華料理が好きだった。

筆者も、中華料理で大満足だった。

中華レストランに行くと、毎回、前菜として棒棒鶏をねだったものだ。

 

意見の合わないこともあって、中華レストランで口論になった事がある。

反抗的で生意気な若造だったのだろう。

その時の棒棒鶏、店内の灯りの加減、眉毛が垂れ下がって困っている父親の様子、今なお目に焼き付いて離れない。

 

棒棒鶏は、父親の味だ。

恐らく、父親が他界してから口にしていない。

何十年と食べていなかったことにハタと気が付いた。

 

父親の事を思い出しながら、突如食べたくなったので、作ることにした。

考えてみれば、ゆでた鶏肉とキュウリにタレがかけられた簡単な料理の筈だ。

 

早速ネットで色々調べてみた。

初めて調理してうまく行くレシピも多いが、この際出来具合はあまり気にしない。

鶏肉を、ネギとショウガを入れてゆでる。お酒も入れる。

胸肉を選んだ。

ネギは、どうしても余るが、捨てるのももったいないので取っておいてある青い部分だ。

少し枯れている部分は、さすがに取り除いた。

 

 

鶏肉はさます必要があるということで、一番先に取りかかる。

水に鶏の胸肉を入れてから、「あれ?ちょっと待てよ、スープを作る訳ではないよな。」、とひらめいた。

ここで、イタリアの調理法を思い出したのだ。

 

ダシを取る時には、冷たい水に肉を入れてだんだんゆでて行く。

肉を食べる時には、沸騰したお湯に肉を入れて、うまみを閉じ込めてしまう。

 

棒棒鶏は肉を食べるので、後者の筈ではないのか。

それなのに、水からゆでるとなっているレシピが多い。

何か理由があるのだろうか。

 

今回は、うまみを閉じ込めるつもりだ。

イタリア式に先に沸騰させ、そこに鶏肉を入れて15分ゆでた。

ゆでたら、そのまま鶏肉を漬けておき、粗熱を取る。

 

さて、タレは、練りごま、醤油、お酢、砂糖を合わせ、それに鶏肉をゆでたゆで汁を混ぜる。

分量は、その割合を覚えるのが面倒なので、大さじ2杯ずつぐらいにした。

砂糖は少なくした。

 

 

 

きゅうりは柔らかい中心部を削り取って、気に入った形状に切った。

 

 

千切りが普通なのだろうけれど、少し大きめに切った。

この方が、きゅうりの味と香りを感じられると思ったからである。

 

父親と食べた棒棒鶏にはトマトはなかったと記憶しているが、ま、少し付けてみよう。

 

 

そこに、鶏肉をほぐしてのせていく。

タレをかけて出来上がり。

 

 

出来具合の感想。

 

鶏肉が固い。次は、もう少し柔らかく仕上げるにはどうすれば良いかを考える必要がある。

やはり水からゆでるのだろうか、はたまたゆで時間15分は長すぎたか。

調理前に、酒を直に鶏肉にかけて、しばらく置いておいたらどうだろう。

部位を間違ったのかもしれない。

もも肉の方が良くはないか。

タレは、ゴマダレの味が強すぎて酸味が足りない。

ゴマダレを控えめにして、お酢の酸味がもう少し際立つようにした方がいい。

あるいは、最後にレモン汁をかけるのはどうか。

もう少しきれいに盛り付けをした方が、食欲をそそるかもしれない。

 

こんなあたりが改善点で、次回以降に生かして行くのである。

 

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