風になりたい
先日のお話。
僕は友人タケと遊ぶ約束をしていた。
今回もビリヤード。
しかし、今回は
タケのバイクお披露目会でもあったのだ。
以前からバイクが欲しいと
彼は言っていた。
それを、とうとう買ったというのだ。
で、それがコレ↓
タケから買った車種を聞いていた僕は
早速ネットで調べた。
僕自身、バイクのことはほとんど知らない。
車種を聞いた時も、てんでピンとはこなかった。
でも、調べてみたら↑コレなのだ。
そのデカさ、いかつさにびっくりした。
午前零時を過ぎて
タケが僕を迎えに来た。
実物を見て、さらにびっくりした。
本気でデカい!!!
おそるおそる後部座席に座る僕。
まるで誘拐された人質のように怯えている。
ドルルルルッ!!!
加速に伴い
僕の体にとんでもないGがかかる。
単車の体感速度は
車のソレとは比べ物にならなかった。
時速100kmまで、わずか4秒!!
フェラーリよりも速い!!!
このバイク、あるスピード勝負では
世界一速いらしい。
あ~~~れ~~~
必死にバイクにしがみ付いた。
フルフェイスのヘルメットからのぞく前髪が
パチパチと僕のまぶたに往復ビンタする。
実は僕、その昔、原動機付きバイクのGですら
恐れおののいた男なのである。
それが、時を隔てて世界一速いマシンに
乗っちゃった~~~!!!
目的地でビリヤードをしながらも
話題はバイク。
バイクのことを知らない僕でも
タケの話はわかりやすくて、聞きやすかった。
そして、バイクについて語るタケは
少年のように輝いて見えた。
帰り道、深夜で車も少ない国道を
一台のバイクが走る。
まるで、黒い彗星のように。
見慣れた景色がいつもと違って見えた。
加古川の橋の上
はるか西の空に
地平線が見えた気がした。
そして、僕らは風になった。
行きの道中では
あんなに恐かったのに
風が、スピードが、移り行く景色たちが、
僕らを風にかえた。
そして僕らは
かっこいいオヤジになろうと誓った。
27歳目前の
ある夜の物語。

