第一話…目覚めの刻窓から差す陽の光が明るく満たす、小さな一室。そこへ迷い込んだ白い蝶が、ベッドに横たわる者の少しだけ赤みがかった頬に、ひらりと止まる。しかし、その人はまだ、動かない。蝶がそこにいないかのように。長いまつげに縁取られた瞼は、動く様子もない。やがて、愛想を尽かした蝶は白い羽で強く風を仰ぎ、舞い上がる。花瓶を避け、机の上に影を落とし、金のロケットの鎖につんと触れて、小さな来客は広い外の世界へと帰っていく。やがて、少女が瞼を持ち上げたのは、蝶が青い空へと消えた後のことだった。