甘いもの好きな「私達」。痛いもの嫌いな「私達」。
私は一人に見えるけど、もう一人の自分が此処にいる。
見えないけれど知っている。
誰だって2人。どんなときだって…。
そうだと、思ってた。
私は欲しがった。絵の力。
アノ子はついっとなぞるだけ、それだけで綺麗なお空が描ける。
この子はちょいっと描いただけで、平面の人が生まれてく。
それなのに、私はなぁに?
「こんなに下手な絵じゃだめだ。なんでこんなのが描けるの?私はなんてへたっぴなの?」
口に出した私。何処かの誰かが泣いていた。
その子の腕に、傷が出来たから。
私は望んだ。もっと高い所を。
人は何故高みを目指すのと、一つの詩が攻めるけど、
いつものあなたでいいのにと、何処かの誰かが止めるけど、
それなのに、私はその子を蹴りつけて
「もっと高くなきゃだめなの。あんな奴に負けたくない。」
またアノ子が泣いた。
「なんでこんな事するの? 私は…」
その続きを聞きたくなくて、私は耳を塞いで進み続けた。
そして、気がつくと何処かにいた。たった一人ぽっち。
高くもなくて、なんにもないところにいた。
そういえば…
ふと、そよ風が語りかける。
「アノ子の名前はなんだっけ?」
いつも泣いてたアノ子の名前。
「あなたはなんで一人なの?」
そうだ。いつも2人だったのに。
いつも一緒だったのに、どうしてアノ子はいないの。
どうして? なんで?
私が意地悪したから。周りが見えなかったから?
腕が、痛い。
背中が、胸が、足が、体の全部が。
傷なんか見えないのに、何処にもないのに。
視界が潤んだそのときに、アノ子の最後の言葉が聞こえた。
「―――なんでこんな事するの? 私は―――」
貴方なのに。